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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

デモグラフィック情報はもういらない

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毎日詰めているクライアントの米人上司はマーケティングの人であり、iPodの会社やPentiumの会社で色んな戦いを経験してきた方のようです。なので、時々出てくるアドバイスは実戦的です。

彼がある時、ネット空間で関心を等しくしている人たちが無数に集まっている場面を想定してしゃべっていました。その時に「そういう場ではデモグラフィックがいらない」ということを言いました。そのことが目的で集まっている関心事項に沿った広告メッセージをすばやく投げれば、しっかりと届きます。そこに集まっている人の年齢や職業や居住地や所得なんかのデータは不要です。それもそうだなと思いました。

同じことを横山隆治氏も「次世代ネット広告テクノロジー 究極のターゲティング」(宣伝会議)で述べています。以下、少し長くなりますが、その方がわかりやすくなるので引用します。

-Quote-
 以前、私はペットフードを担当する後輩の広告マンにインターネット広告を勧めたことがある。その広告マンは「ペットフードのターゲットは50代の女性なので、インターネットを勧めるのは難しいんですよ」と言った。自分より若い広告マンがネットを理解していないのもショックだったが、なるほど従来のマスメディアだけで育つと、デモグラフィック情報ありきのターゲティングになるということがわかった。
 中略
ただメディアプランニングをする際に、メディアを比較検討しようとすると、視聴者なり読者のプロフィールは、デモグラフィック情報でしか行いにくいのも事実だ。よってターゲティングとは対象者の属性を決めることのように勘違いしている広告関係者が多い。これはメディアを選ぶときにいったんデモグラフィックに置き換えているのに過ぎず、いわば間接的なターゲティングといえる。
 中略
 ところが、インターネットにはそうした間接的なターゲティングは馴染まない。ターゲットとすべき対象は、性別や年齢などとは関係なく、「ペットフード」と入力して検索してくる人である。また、ペットに関するコミュニティサイトに来る人であり、ペットの情報ページを閲覧する人である。ここでアクセスするユーザーの性、年齢はある意味どうでもいい。ここではダイレクトにターゲティングしているのであって、いちいち相手を属性に置き換える必要はないのである。
-Unquote-

特定の関心事を共有できる場が設定できさえすれば、デモグラフィック情報はいらなくなる。
特定の関心事とは、普通は名詞である。しかも”濃い名詞”である。例えば、”中田ヤスタカ/capsule/MEG”とか”Broadcastの「Before We Begin」”とか”Technics SU-A4 MK2”とか。特定性の高い名詞ということができる。
こういう名詞に引かれてやってくる人には年齢も性別も関係ない。

名詞がすべてだ。世界は名詞で成り立っている。名詞バンザイ。

と単純化して喜びたいところですが、現実的にはまだまだ課題があります。その最大のものは、特殊な名詞でターゲティングできるのは、相応にリテラシーの高い顧客に限定されるという点です。

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