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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

BM-0001:事業モジュール#1 モバイルプロファイル

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本事業では、基本理念に合致している限り、様々な事業モジュールの可能性を試していきます。なお、事業モジュールとは、それだけで一個の商用サービスとして成立しうる事業の一単位を指します。
イノベーティブな事業はどれが成功するか予めわかりえないので、なるべくたくさん始めてみて、収益性のよさそうなのを残すのが鉄則とされています。
幸い、本事業案のいずれも、取り扱う商材は個人が持つ知識であり、物流および倉庫が要りません。初期投資は相応に小さくて済むので、その分、取り組む事業モジュール数を増やすことができます。

事業モジュール#1 モバイルプロファイル(仮称)

本事業モジュールは、端的には、消費者が購買ポイントにおいて彼・彼女自身のプロファイルを店舗に譲り渡す代わりに、キャッシュやポイントなどのリワードを得ることができるサービスである。

mobile_profile

大まかな手順は以下の通り(データの流れについては図を参照)。
・事業主体は、本事業人
・企業顧客として、流通小売業および消費財メーカーを想定(図中では”当プログラム参画企業”)
・個人顧客(図中では”当プログラム参画消費者”)として、18歳以上の男女(契約の当事者となれる者)かつ企業顧客が有用と認めるセグメントに属する者を想定。店舗に設置される消費者プロファイル吸上リーダに情報を受け渡すメカニズムを持っている携帯電話の利用者でなければならない。
・企業顧客は、個人顧客から吸い上げるプロファイルデータの粒度を必要に応じて設定できる。個人情報保護法に関係した措置が必要となる「個人を特定できる情報」として収集することもできれば、同法の規定が及ばない「匿名だが購買者属性を識別できる情報」として収集することもできる。
・個人顧客は、予め企業顧客に対して譲り渡すプロファイルデータの粒度を限定することができる。例えば、住所、氏名、電話番号は絶対に渡さないといった設定ができる。
・プロファイルデータ中には、当該業界で一般的に行われているマーケティングリサーチ項目などを複数組み入れることができる。
・個人顧客が得るリワードは、企業に受け渡すプロファイルデータの粒度に応じて変動する。

本事業における売上は、企業顧客が、本事業人との間でリワードの精算を行う際に上乗して支払うフィー、および定額の参画契約金から得られる。

以上

付記。
これは以前にも記しましたが、私がクライアントのために執筆した小冊子の中で私自身のオリジナルアイディアを使って、一部紹介した内容がベースになっています

その昔、カードビジネスの専門誌に携わっていた関係で、メーカーや流通企業等の新規カード発行プロジェクトのお手伝いをさせていただいたことが数回あります。
その都度感じたのは、カード会員事業は「カードを持ってもらった人しかカバーできない」という今さらながらの事実です。
本事業モジュールでは、カードを持っていようが持っていまいがお構いなし、誰からでもマーケティング用のデータが取れるよ、という路線を目指しています。これはカードビジネスに携わってきた方々が見ると、かなり画期的なことかもしれません。

実現にあたっては、現時点で端末設置加盟店を相当数保有しているビットワレット(Edy)やJR東日本(Suica)が現実的な選択肢となってくると思います(僭越ながら、そのようですので、よろしくお願いします)。また、個人がプロファイルデータを蓄積し、店頭で受け渡す際のポータブルデバイスとしては当然ながらフェリカ付iモード端末がもっとも自然な選択肢となります(僭越ながら、こちら様も、よろしくお願い申し上げます)。従って、それらの事業者との提携を前提とした事業ということになります。

ここでは、「リアクティブな情報収集」のことをかなり批判しており、本事業案は「何だおまえが批判していたリアクティブな情報収集そのものではないか」とお叱りを受けそうです。そのへんは、事業者の立場では、収益を安定させるために多種多様なオプションを駆使することが求められ、イデオロギー云々かんぬんするのは経営上あまりうまくないということでご容赦くださいませ(_ _)。

ただ改めて見ても、既存のカード発行による購買情報収集よりははるかに柔軟な枠組みを持っており、単純にリアクティブな情報収集とも言えないです。
例えば、この仕組みがあれば、特定のチョコレートメーカーが自社製品を買う顧客に対してだけプロファイルを収集するといったきめ細かな運用が可能です。チョコのパッケージに「○○○キャンペーン参加商品。プロファイル受渡消費者には50円キャッシュバック」などと印刷しておけば、相応のデータが取れると思います。
おそらく、既存の消費者情報収集方策のどれよりもコストが安くやれるのではないかとにらんでいます。

それから、基本理念で言うところの、「消費者の智恵」が企業に渡るようにするために、プロファイルの内容を工夫する必要もあると思います。

いずれにしても、事業の案であり、ドラフトです。特許庁に出願されているドキュメントの中にバッティングしているものがあるかどうかも精査していません。その点についてご承知おきください。

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