ThinkPad X201sを1年使ってみて分かったこと
"ThinkPad X201sを選択した3つの理由"を公開(2010/3/23)してから1年が経過しました。そこでThinkPad X201s(以後X201s)を1年間使った感想をまとめてみます。
"ThinkPad X201sを3ヶ月使ってみて分かったこと"で2つの欠点を上げました。
・1度目の起動時にビデオドライバーがクラッシュして再起動が必要
・たまにディスプレイが暗くなる
1つ目の問題は、いつのまにか出なくなりました。2つ目の問題は、途中で発症しなくなったのですが、最近また出てきました。ですが、回数が激減りしました。このため、多くの不満は概ね解消されたと言えます。
結構乱暴に扱っていると思いますが、いまだに故障する気配が見えません。頑丈なThinkPadにSSDにしたからかも知れません。大容量を必要としないケースならば、率先してSSDを採用すべきだと思います。Ubuntu 10.10を入れたため容量不足に陥っていますが、ブラウザ&テキストエディタがメインのため、何一つ不満がありません。
MacBook系でストレージを入れ替えましたが、ThinkPadは簡単です。ですが、MacBookから比べればスペースの使い方に余裕があると思います("ThinkPad X201sを三枚におろしてみた"と"MacBook Pro 15インチ(Early 2011)を購入した(Mac OS X ベンチ編)"を参照)。これはトレードオフかも知れません。
X201sの後継機種が未だには発表されていません(X220の正式発表はまだです)。特に高解像度のsシリーズは現時点ではなさそうな雰囲気です。
ディスプレイがなくなったと言われているので、TMD等で作るのを止めたからでしょうか。残念でしかたがありません。ディスプレイだけは、サプライヤー次第ですしね。ソニーは、自前で作れるからVAIO用に専用ディスプレイを作ることが出来ますが、一般的なPCメーカではそのようなことは出来ません。供給側は低コスト化を行わないといけないため、需要が少ないラインナップは手を引きたいのが本音でしょう。
かわりに噂でしかない13インチクラスで実現されるかも知れません。このサイズならば、12インチよりも需要がありそうですしね。ただし、ThinkPad X30*は高額でもあったので、心配です。
X201sを1年間使ってみて一番痛感したのは、CPUパワーはまったく必要でなかったという思いです。"ThinkPad X201sを選択した3つの理由"にも書きましたが、X201sでCPUパワーを必要とする作業を予定していませんでした。ベンチを取ったのは、CPUパワーがどの程度か知りたいためだけです(ベンチ厨なので)。また、メインのPCはデスクトップがあるためサブにそこまでを要求する気も。
残念だったのがX201sの構成上もっとロースペックのCPUは採用できませんでした。
X201sの後継機種が目指すのはMacBook Air 11インチだと思います。iPad等のメディアタブレットとは違いキー入力は必要なためハードキーボードを搭載して贅肉をそぎ落としてほしいものです。
将来的にx86よりも省電力なARMを搭載したノートPCが発売されるでしょう。そのときにクラシックThinkPadはどのような選択をするのか興味があります。Lenovoのラインナップを見るかぎりは、ARM搭載のIdeaPadは発売される可能性はあると思われますが、クラシックThinkPadは搭載は厳しいでしょう。また、Edgeシリーズに搭載するのもありかと思われます。
このため、サブとして使うかぎりはもっとローパワーにして軽くしてくれることを期待しています。現行よりもローパワーでも実質問題があるケースは多くないでしょう。
ノートPCをメインにできない唯一の問題がマルチディスプレイ化です。ThinkPad T410sがドックを使用することで4ディスプレイまで表示可能です(自分のディスプレイ込み)が、T410sは独立GPUを搭載しています。X201sの様な小型ノートPCに独立GPUを搭載することは困難以外なにものでもありません。
ですが、最近のCPUはGPUを搭載し始めています。現時点では独立GPUがないと実現できませんが、将来的には可能になるでしょう。またNVIDIAが作成するARM系チップはGPUは十分な機能が盛り込まれると思いますので、将来的にはドック要らずにDisplayPortのディージーチェーンでマルチディスプレイ化できると思われます。
1年間使用してX201sの不満点は重さだけです。それだけ欠点が少ないと思うX201sですが、後継機種も危うくなりラインナップ自体が消失するかも可能性が出てきました。今のところX201sをリプレイスする予定はありませんが、将来への不安が出てきて今以上に手放せなくなってきました。