企業が「文化や風土を変える」とは具体的に何を変えることなのか
DXとは、「企業の文化や風土を変えること」であり、デジタルはそのための手段だという理解が、広まってきたように思います。これは、とても真っ当なことであり、このような理解の元に、地に足のついた取り組みが、行われてゆくことを願うばかりです。
ところで、「文化や風土を変えること」だよなとは、なんとなく理解できるのですが、具体的にどのように変えることなのでしょうか。その辺りを、思いつくままに書き出してみました。
そもそも、なぜDXに取り組む必要があるのかと言えば、これには3つの狙いがあると言えるでしょう。
1つは、「変化する社会常識への対応」です。インターネットが広く普及し、誰もが、当たり前にスマートフォンを使いこなす社会になりました。オンライでの買い物、ホテルや交通機関の予約は、誰もがネットを使っています。駅を降りれば地図サービスで自分の居場所と行き先を確認し、あと5分で到着することをLINEで相手に知らせることなどは、もはや日常です。まさに社会は、"デジタル前提"に動いています。ビジネスも、そんな社会の常識に対応できなくてはなりません。
2つ目は、「事業の変革」です。"デジタル前提"の社会に対処するためには、自らの事業もデジタルを駆使することが必要です。それができなければ、顧客は離れてしまうでしょう。むしろ積極的に、デジタルを前提に新しいビジネス・モデルを作り出さなければ、事業の存続も難しくなります。
3つ目は、「変化への俊敏な対応」です。上記、2つの前提でもありますが、いまの世の中は、変化が早く、「未来を予測ができない時代」あるいは「正解がない時代」だと言われています。将来が見通せない以上、変化の予兆を見つけたら、あるいは、新しいアイデが生まれたら、とくかく直ぐにやってみることです。その結果から議論を展開すれば、より現実的な解に到達できるでしょう。そして、その直ちに改善する。これを高速に繰り返します。そんなビジネス・スピードを手に入れて、予測できない変化に俊敏に対処することが、事業の存続や成長の前提となります。
これらは、いずれも、デジタル技術を使うだけで、対処できるものではなく、「企業の文化や風土を変革すること」が伴わなければ、できません。
ここに書かれた以外にも、こんなこともあるぞと、ご意見を頂ければ幸いです。