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秀和システムから出版された「ドジっ娘リーダー奮戦記」を読みました。この本はオルタナブロガーの小俣さんばんちょ~による連載を本にまとめたものです。

本の内容は、主人公の「しんこちゃん」28才と先輩リーダー「輩田さん」の会話を中心に、しんこちゃんがリーダーとして成長していくストーリーです。しんこちゃんのライバルの新米リーダー「春美ちゃん」が、ばんちょ~にダブって見えるのは、きっと暑さのせいでしょう。ばんちょ~は、本の著者紹介で自分のことを「人生ではじめて担当した長期連載が書籍化されることになり、自分の運の良さを確信する。日々是ご機嫌、がモットー。」と書いてしまう不思議な人です。もっとも最近は本の営業に回って、世の中のたいへんさをしみじみ感じているそうなので、少しは変わったかもしれません。

会社に勤めて30才前後になると、会社によって呼び方は違うものの、リーダーであることを求められるようになります。ここで言うリーダーは、課長以上のいわゆる管理職とも違います。リーダーと管理職(マネージャー)は何が違うのか、答えは【04】『目指せ、ゴリさん!本物のリーダーになろう』にあります。

この本は小俣さんの体験がベースになっているそうです。私は2005年まで普通に(?)サラリーマンとして会社勤めをしてきました。主任→課長/マネージャー→部長の役職の経験があります。この本に書かれていることは、自分の体験と合わせて理解できます。

自分を振り返ると、一番たいへんだったのが主任時代でした。人事権を持たないにもかかわらず、仕事ではリーダーシップを求められる点で、ある意味、管理職より難しいポジションでした。

当時はいろいろ悩んだり試行錯誤したりしました。リーダーシップの本も読みました。そして、自分なりの結論として「リーダーに必要なことは3つしかない」という結論に達しました。それは、「任せる」「叱る」「謝る」の3つです。

任せる。自分の部下を信頼して思うようにやらせることです。これは放任や黙認とは違います。全体の方向性や背景を充分に説明した上で、部下が考えて仕事を進めるようにすることです。詳細は【19】『任せる品格』にあります。

叱る。部下が間違ったことをしている時に、きちんと「ダメと言う」ことです。私の見てきた範囲では、部下と気まずくなることを恐れてか、叱ることができない管理者がいました。その人に注意できるのは直属の上司しかいないのですから、上司は叱るべき時は遠慮無く叱らなければいけません。叱ると褒めるのコツは【13】『しかり上手は褒め上手』にあります。

謝る。一般のビジネス書では重視されていないようですが、私は重要と考えています。部下に仕事を任せて思い切りやらせた結果、時には勢い余って他の部署やお客様に迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません。そのような場合に、部下の責任にしてしまうのではなく、自分の責任として謝ることが上司の仕事でしょう。

これら3つのことを実現するためには、日頃のコミュニケーションができていてお互いの信頼関係があることが前提となります。【12】『恋は焦らず、コミュも焦らず』が参考になるでしょう。

昨今の事情を反映していると感じたのは、よい人脈を作るために自分から情報発信することの重要性についての【05】『情報もカロリーも、積極的に出して行こう!』や、年上の部下を持った時の心構えについて書いた【18】『年上の男の子』でした。また、ITの資格取得についての【21】『資格でメシが食えるか?』は、資格に関する議論をよくまとめていると思います。

この本、読むとなかなかいいことが書いてあるのですが、あまり店頭に数が出ていないようです。ばんちょ~が靴を3足ツブして営業した「ドジっ娘リーダー奮戦記」、ぜひお手に取ってみてください。

ついでに便乗広告です。

本日8月3日はNetCommonsユーザカンファレンスの日です。ちょうど1年前のカンファレンス会場で、私が一部を執筆した「私にもできちゃった!NetCommonsで本格ウェブサイト」(近代科学社)が発売されました。こちらは、新米ウェブマスター「陽菜ちゃん」が先輩の「白石さん」の指導で成長していく物語です。「ドジっ娘リーダー奮戦記」とごいっしょにどうぞ。

テクネコ

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加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

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