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ここ一ヶ月くらいの間に「腑に落ちる」という言い方を続けて聞きました。私は「腑に落ちない」はなじみがありますが、「腑に落ちる」は使いません。気になったので、調べてみました。

Googleで検索してみたところ、気になった人が前にもいたようで、いろいろ発見がありました。

こちらの説明がよくまとまっています。「腑に落ちる」は、徳冨蘆花「思出の記」(1900-01)で使われていたそうです。戦前の辞典にも載っていたとのことで、言葉としては間違いではないことがわかりました。

その後「腑に落ちる」が使われることは、少なくなりました。そして、2002年頃から急に多く使われるようになったようです。

こちらに2002年10月に同じくGoogleで検索した結果があります。その時点では、

「腑に落ちない」27,200件

「腑に落ちる」2,060件

でした。「腑に落ちない」と「腑に落ちる」の比率は13.2です。

今日の検索結果では、

「腑に落ちない」約470,000 件

「腑に落ちる」 約129,000 件

となっています。同じく比率は3.6です。

つまり、2002年の秋以降に「腑に落ちる」が急速に増えてきているのです。2004年頃には、一般に目に付くようになったようで、以下のような議論があったそうです。

2004年7月2日、日本校正者クラブの境田稔信さんに初めてお会いしました。そのときに、その日発行されたばかりの日本校正者クラブ機関紙「いんてる」の第105号をいただきました。その中で境田さんは、「『腑に落ちる』と『的を得る』」というタイトルで書いてらっしゃいます。野口恵子著『かなり気がかりな日本語』(集英社新書)の中に、<「腑に落ちる」は腑に落ちない>という一項があることを取り上げ、「腑に落ちる」も昔からある表現なので、気にしなくてもいい、と記していました。

影響力のある人が2002年頃から使った結果、「腑に落ちる」が急速に多くなったのかもしれません。経緯をご存知の方がいましたら、教えてください。

なお、同義語で「腹に落ちる」を教えていただきました。こちらは、Google検索で1,050,000件ヒットします。どちらかと言えば、私は「腹に落ちる」の方が腑に落ちます。

テクネコ

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加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

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