« 2008年10月14日

2008年10月21日の投稿

2008年10月28日 »

私は、サーバーと言えばUnixかNetWareだった頃から、IT業界で働いています。

一般的な企業がサーバーを買う目的は、NetWareの頃から変わっていないように思います。当時、NetWareは、以下の目的で企業に導入されていました。

・ファイルサーバー

複数のパソコンでファイルを共有したいという用途は、今でもサーバー導入の主たる目的です。

・プリントサーバー

複数のパソコンでプリンターを共有するための機能です。コピー複合機やプリンターにプリントサーバー機能が内蔵されたネットワークプリンターになって、専用のサーバーを別に用意することはなくなりました。

・CD-ROMサーバー

CD-ROMドライブが1台数万円で、すべてのパソコンに内蔵させるわけにいかなかった頃は、サーバーのCD-ROMドライブをネットワークで共有できることは、便利な機能でした。CD-ROMドライブが安価になって普及したため、死語になりました。

・ディレクトリサーバー

ネットワーク内のユーザIDとアクセス権を一括して管理する機能です。ノベルにはNDS(Novell Directory Services)というディレクトリサービスのプロダクトがありました。今はWindowsのActive Directoryが多いと思います。中小企業ではサーバー毎にユーザ管理をしてもそれほど手間が変わらないため、必要ない企業もあります。

・Webサーバー/DNSサーバー

インターネット普及当初は、社内にWebサーバーとDNSサーバーを置くのが普通でした。今は、DNSサーバー機能は、ISPから提供されるのが普通です。Webサーバーも社外のホスティングサービスを利用することが多いでしょう。

・メールサーバー(POP/SMTPサーバー)

今やビジネスになくてはならない電子メールですが、スパムやウィルスなどメールのセキュリティー対策は90年代とは比べものにならないほど、複雑・高度化しています。メールサーバーもASPを利用した方が安全と言えるでしょう。

・アプリケーションサーバー

例えばサイボウズなどのアプリケーションを動かすためのサーバーです。ノベルにはGroupWiseというグループウェア製品がありました。現在、この用途はASP化が進んでいます。サイボウズは以前からASPで利用できます。会計アプリケーションもメーカーがASPで提供する方向です。

こうやって見てみると、一般的な中小企業にとって、自社でサーバーを買う必要がなくなってきています。Webサーバーやメールサーバーは、社外のサービスを使った方が、運用管理の手間もかからず、セキュリティー上も安全なくらいです。

企業内サーバーで残された用途が、ファイルサーバーです。この最後の砦とも言える分野にも、変化が起きつつあります。

先日ご紹介したElipサービスには、USBハードディスクをつないで共有する機能があります。共有ディスクの内容は自動的データセンターにバックアップされます。Windwosサーバーを使うよりも遙かに安価で手間がかかりません。

個人向けにインターネットでデジカメ写真を共有するサービスは、以前からあります。グーグルやマイクロソフトは、業務で使えるファイル共有サービスをインターネット上で提供しています。これらは無料または安価です。

今後は、社内ファイルも含めてデータはすべてインターネットの向こう側に置いて、パソコン、携帯電話、Windows Mobile、iPhoneなどの様々なデバイスで利用する形態が普通になると予想されます。

ただし、すべてネット側の向こう側に置いてしますと、万一、ネットワークが切断されて外部とつながらなくなってしまった場合、即、業務不能になってしまいます。ネットワークの危機管理については、別の機会に書いてみたいと思います。

テクネコ

« 2008年10月14日

2008年10月21日の投稿

2008年10月28日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
techneco
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ