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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

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2008年11月16日 »

■ 手の中に収まるWeb2.0

僕はこれまで『ビジネスブログブック』シリーズを通じてBlogやフィードが変えるネットの世界を考察し、『Web2.0Book』で大きく進化し始めたWebの現状と未来を開設することを試みてきた。そして今年は『アップルとグーグル』という本を通じて、より具体的な象徴(あるいはサンプル)として、AppleとGoogleという二社を対比させつつ、Web2.0のその先を理解していただくためのレポートを書いた。僕は、常々Web2.xとはリアルとWebの融合だと主張してきたが、それを具体的に示してくれているのがAppleとGoogleだという意味だ。

『アップルとグーグル』の共著者である林信行氏は、iPhoneを「Web2.0 in your pocket(ポケットに入るWeb2.0)」と評している。

僕も100%同感だ。Web2.0と呼ばれる今のWebがどのように進化していくか、どのように我々の世界を変えていくかを手っ取り早く実感するには、iPhone 3Gを購入し、1ヶ月間使い続けてみればいい。電話をかけ、メールを送受信し、Webブラウジングをする。ゲームをダウンロードし、豊かな表現力の地図を使い、今までとは違うさまざまな体験をしてみるべきだ。その小さなガジェットの上で、何がおきて、日々どのような変化が起きているかを確かめてみれば、それは必ず見えてくる。

僕のiPhoneは既に購入した2008年7月11日のそれとは別物だ。OSも進化し、使い勝手も機能も変わっている。iPhone 3Gは、いやスマートフォンは たゆまぬ進化を続けるライブガジェットなのである。使えば分かる、使わなくては分からない、当たり前の話だが。

■ 「使う楽しさ」と「高機能」を両立したスマートフォンがiPhone

iPhoneはいわゆるケータイではない。電話機能を搭載した超小型コンピュータであると言っていい。すなわちスマートフォンそのものだ。

スマートフォンは基本的にはそもそもビジネスユースを想定して作られた分野であり、PDAが携帯電話機能とネット接続機能を備えることによって進化してきたハイブリッドガジェットである。つまり、携帯電話の形をしたPCといえる。

ほぼすべてのケータイがワンセグやWebブラウジングを可能としている日本の市場と異なり、欧米のケータイ市場は通話機能とSMS(ショートメッセージ)を中心とした比較的単純な機能を装備したローエンド機種と、PC環境を再現することを目指したハイエンド機種、つまりスマートフォンとに分化して成長した。ローエンド機種はWebブラウジングやビジネスに必要なさまざまな機能はほぼ切り捨てており、なるべく単純な機能をより使いやすくしつつ、どんどん低価格化することで普及した。逆に、ハイエンド機種であるスマートフォンは、使いやすさを犠牲にしても高機能化した。結果として、法人需要にフォーカスすることになる。

この状況の中である意味真っ当な進化をして大きなシェアを得たスマートフォンがBlackberryだと言える。

そして、これまで高機能の陰で犠牲にされてきた使い勝手や、操作をする楽しさや美しさの復権に着目して登場したのがiPhoneであると言えるのだ。その意味でiPhone 3Gは、世界で初めて一般ユーザーも使いこなせることを目指して設計されたスマートフォンだ。つまりiPhone 3Gとは、いわばスマートフォン2.0であるといっていい。

■ スマートフォン上で展開するリアルとWebの融合

Googleは11月14日(米国時間)、iPhone用の検索アプリ(Google Mobile App)に音声認識機能を搭載した。iPhoneならではの加速度センサーを使い、耳元にiPhoneを持っていくと音声認識エンジンが起動し、知りたいことを実際にしゃべると検索してくれるという仕組みだ。Google Mobile AppはWeb検索だけでなくiPhone内のローカル検索もできるから、電話をかけたい相手を簡単に呼び出すことも可能だ。

電話というガジェットである以上、最も簡単な情報入力インターフェイスはもちろん音声である。いよいよ夢の領域にGoogleとAppleは近づきつつあると言えるだろう。音声検索がいいのは、例えばクルマの運転中のように視線や(タイプをする為の)指先を自由に使えない環境での利用が創造しやすい点だ。

不思議なのだが、音声認識エンジンの認識率はかなり向上していて、例えばカーナビには音声で行く先を入力させるインターフェイスが最適なのに、未だにそういうカーナビが売られていないのは僕には本当に不満だった。Google MapsがiPhone用も含めてクルマでの移動を前提に作っているのは、まさしくこの音声入力サポートを用意していていたからだということがわかる。

Google Mobile AppがiPhone 3Gが音声入力をサポートして、地図情報をさらに音声で返すことができるようになれば、カーナビ(PND)としての側面を持つことになる

(日本のApp Storeでもこの検索アプリはダウンロードできるようになったが、どうやら音声認識機能はまだ搭載されていないのが残念だ)

日本のケータイはモバイルSuicaなどのサポートによって、日本ならではのコンビニや鉄道の決済手段として素晴らしいソリューションを提供しているが、クルマによる移動が多いアメリカにおいては、このPND機能をスマートフォンが備えるということは正しい進化だ。

いずれにしても、毎日の必携ツールであるモバイルがリアルとWebの接点になることは間違いがなく、その一つの例が Google Mobile App + iPhone 3Gなのである。

 


+追記:
2005年の僕自身のエントリー。コメントまで含めて読んでいただけると、今のiPhoneの姿をある程度予想できていたのかな、と思う。

http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/2005/10/apple_6942.html

+追記2:
2008年11月19日現在、英語であれば音声検索が可能になっている。Google、すげー♪

hiro

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プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

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