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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

« 2008年11月15日

2008年11月16日の投稿

2008年11月19日 »

iPhone 3G(およびiPod touch)に最適化されたWebベースの実名SNS、「MODIPHI SMART」を今月中に公開すると予告した。
しかし、予定より開発が遅れており、月内に少人数でのクローズドベータ公開をして、来月早々に一般公開するのが現実的なラインになってきた。(期待していただいている皆様、申し訳ありません)
iPhoneに最適化されているという意味は、画面の大きさやタッチパネルで操作することを前提に作ってあるということだが、インストールが必要なアプリではなく、現状はWebブラウザ経由で操作するWebアプリのみの提供を予定している。


SMARTは、実のところSNSと呼ぶべきかどうかは僕自身迷うところだ。本質的にはソーシャルインテレストアグリゲーション(共有可能な関心の集積サービス)であり、同時にソーシャルインテレストストリーミング(共有可能な関心の配信サービス)だと思っている。通常、SNSは基本的にヒト中心だが、SMARTはヒトだけではなく、情報や関心事を軸に人々をつなげていくという要素を強く持っているからだ。(さらに本来は「場所」をも軸にしていきたいが、それは将来アプリ化したときに実現するつもりだ)

また、日本人がイメージするSNSは、互いの承認が必要な、インタラクティブな人間関係をベースにしている。しかしSMARTはTwitter同様に、One-Wayの関係しか持たない。つまり、AさんがBさんを友達と思ったからといって、BさんもAさんを友達と思わなくてはならないことはない。実際の人間関係も、濃淡はあるにせよ実はそんなものであり、非同期のあり方がかえって自然である。たまたま互いに関心を持てたとしても、それはある意味偶然だと思った方がいい。

そういうユルさと適度な距離感を保ったまま、情報が流れ、広まっていく。そういうライトなコミュニケーションの実験として、SMARTを楽しんでもらえたらいいと考えている。

もう少しお待ちください。

hiro

 

■ ケータイのメールにタイトル欄は不要??

僕はかなりタイピングが速い方だと思う。正確に言うと、文章をつむぎだす速度が速いので、結果としてタイプする速度も速くなる。だからお手本をみながら、書いてある文字を転記するような作業が速いわけではないので、ワープロ検定で認定されるようなものではない。

また、実はケータイの10キーでのタイプも、ケータイメール世代ではないオトナにしては速い方だと思う。さすがに卒論や小説をケータイで書く昨今の若者のマネはできないが、絵文字入りのメールをさくさく書くなど朝飯前だ(笑)。

ところでケータイのメールを多用すると分かるのが、ほとんどの利用者がメールのSubjectを書かないということだ。十代〜二十代であれば当たり前の習慣だろうが、ネット黎明期からこの業界にいる者からすると、ちょっと許せないところだろうと思う。これはケータイのメールがポケベル(Pager)から進化したことによる名残なのだろうか。

気がついたら僕も、とっくにタイトルを書かなくなっている。メールの交換が続けば、Re:Re:Re:・・・と限りなく続くことになるがもはや気にもならない・・・。

 

■ ケータイメールの文化はTwitter的? 芸能人ブログはケータイ的?

考えてみれば、eメールがビジネスにおいてもデファクトのコミュニケーションツールになって以来、タイトルの書き方や、文章の組み立て方、署名(Signature)の行数(*)など、さまざまなルールやマナー、あるいはエチケットが取りざたされていた。

(*)メールの署名は、昔はネットの帯域を不要に消費しないために、4行まで、というのが
    ルールだった。
  (メールの横幅は76文字、というのがマナーでもあった(^^))いまや、コンプライ
        アンス上の観点から、送信先を間違えた場合の注意書きなど、メール本文より長い
    署名も少なくない(笑)

 

ケータイのメールにはこのようなビジネス的な文化ではなく、より簡単に手早く、さらに分かりやすくコミュニケートすることを目的とした手法が好まれた。欧米におけるSMSにも顔文字はあるが、日本ではさらに絵文字へと発展した。長いタイトルを書いても横幅が狭いケータイの画面ではほとんど見えないし、結局ほとんどは友人・知人からのメールであるから、とにかく開く。それに、たいていは「元気?」とか「ご飯食べよう」のような短信が多いから、そもそもタイトルにそれを書けば事足りてしまうほど短い。だからタイトルには何も書かず本文にそれを書く。

こうしてみると、ケータイのメールの交信は、非常にTwitter的であるといえるだろう。

Twitterもケータイメールも、短信の連続であり、タイトルを書かない。Twitterにはそもそもタイトルを書く欄がない。

Twitterがタイトル欄をおかず、書ける文章量も140文字に制限したことが、彼らの成功を引き出したと僕は思う。Blogも本来は簡単かつ簡潔なエントリーの連続で良かったはずが、普及するにつれて複雑化した。自由に書けることやさまざまな機能追加が、返って”Blog疲れ”を引き出してしまった。Twitterはさまざまな制限をつけることで、逆に気軽に書き込める自由を担保したといえるだろう。

ケータイもまた、企業内とは違って、どんなメールの書き方をしようが誰も文句は言わなかった。うるさいマナーをいうオトナはそこにはいなかった。こうして、狭くて不自由な環境の中で、かえって自由に発展したのがケータイメールなのである。

(芸能人ブログは、ケータイ文化を色濃く引きずっていると思う。Blog黎明期から続いているアルファブロガー的世界とは全くの別物である)

 

■ 気軽でユルいコミュニケーション手段の確保を

PCにおけるeメールとケータイメールは、やはり全く別のコミュニケーションツールであることは間違いがない。大学生であってもPCのメールを持っていないケースも多々見られる。PCはWebブラウジング、メールはケータイで、という分業が彼らの中では成立している。

PCからメールに入った僕たちとは、感覚が明らかに違うのだが、その彼らでさえ、卒業して企業に入ればケータイメールとは異なるPCのメールのマナーに馴染まなくてはならない。

ただ、気をつけなくてはならないのは、学生時代にはあった気軽なコミュニケーションが、本来はよりいっそう情報共有をしなくてはならない企業内では、なかなかに進まないという事実についてだ。企業内のコラボレーションやコミュニケーションの円滑化については、グループウェアを始め、SNSやBlogなどの"Web2.0"的ツールの導入も検討されることが多いが、結局あまり進んでいない現状なのである。

思うに、ケータイとPCの融合、つまりスマートフォンの導入(つまり、いつでもどこでもメールによる交信ができる)と、ケータイメールやTwitterに見られる気軽なコミュニケーションを取り合える、一定の制限を設けられた空間が必要になっているのではないか。

社内SNSを導入した企業は多いが、なかなかうまくいっていない場合が多い。そこで、SNSを業務寄りにして、日報などのシステムと同化しようとする、一種の保守化政策をとろうとする声もよく聞く。

 

しかし、それは違う。

複雑で、業務的なコミュニケーションツールやシステムは、ほとんどの会社に既にある。必要なのは、何でも書いてもいい、ただし短く、というユルさとシンプルさを失わない新しい環境を与えることだ。

もちろんそれだけでは不十分であり、別の要素もまた必要だがそれはここでは書かない、製品やサービスの形で示したいからだ。それでも、全社の隅々まで通る、薄い水膜のような軽いコミュニケーションベッドをまず置くことによって、情報を円滑に流せる文化を生み出すこと。それが先決である。

 

 

 

 

 

 

hiro

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プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

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