栗原潔のテクノロジー時評Ver2:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 栗原潔のテクノロジー時評Ver2

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2006年12月11日の投稿

2006年12月12日 »

「国内に検索エンジンのサーバを合法に設置できるように著作権法を改正する方針を政府が固めた」との毎日新聞の記事。記事によりますと(現行の)「日本の著作権法では、著作物をサーバに置くことは「複製」、それにインデックスをつけることは「編集」と解釈される」そうです。サーチ・エンジンは上記の作業を著作権者の許諾なしにやってますし(注:著作物とはCDやDVDだけではないですよ、Webのコンテンツやブログのエントリーも立派な著作物です)、営利目的でやっている以上、私的複製とは当然に言えませんので、著作権を侵害してしまうことになります。で、しかたなく現状はサーバを海外に置いているようなのですが、それでは情報大公開プロジェクトのような国家プロジェクト検索エンジンの支障になるということで、国内にサーバを置けるように法律を改正しようというお話しのようです。

とここまでは良いと思うのですが、現状の海外にサーバを置いている状態でも既に違法なのではないのかと突っ込んでいるブログ・エントリーを見付けました(ブログにプロフィールがないので著者のバックグラウンドがわかりませんが、法学部で勉強されている方かもしれません)。

で、このエントリーによりますと、刑法の規定により著作権法上の罪は日本国民が海外で行なった行為にも適用されるそうです(法律用語で言うと、属地主義ではなくて属人主義が適用されているということです。)

ということで、現状のように日本企業が運営するサーチエンジンのサーバを海外に設置しても、

検索サイトを運営している会社の常駐日本人社員はかなりマズいですね。

国内にいる役員が企画やら決済やらしているならば、その役員は共謀共同正犯ということになるでしょうし、そうすると全部のスタッフが共犯ということで、国内法で処断されることになるんじゃないでしょうか。

と判断されています。どうなんでしょう???

仮にブログ作者の人が「自分が苦労して書いたブログのエントリーを勝手にサーチエンジンのサーバにコピーされて著作権(複製権)を侵害された。これは海賊行為である。」と(日本の)サーチエンジン会社を訴えたらどうなるんでしょうか?

正直、刑法まで来ると完全に自分の守備範囲外なのでよくわかりません。弁護士の方、ないし、法学部の方で詳しい方がいたら是非コメント下さい。

追加(6/19): Winny事件で金子氏の弁護をされている壇弁護士のブログでの見解によれば、やはり海外にサーバがあっても現行法では「かなりアウトのはず」とのことです。「行為の一部を日本で行っていれば実行行為が海外であっても違法である」という見方もできるらしいです。ゆえに、壇先生は「検索エンジンを合法化する著作権改正には賛成」であるということです。

ついでに、

ビジネスとして有用であることが周知されれば法律が変わる。それまでは犯罪者。

という言い回しも印象に残ったので引用しておきます。

追加(12/18): コメント欄にもあるように、壇先生のブログの方で解説が付け加えられています。(ベルヌ)条約との関係でややこしい点があるようですが、解釈上違法とされる可能性はあるとの見解とのことです。

追加(12/21): この問題の火付け役(笑)であったブロガーの方からトラバが付きました。現実的には「黙示許諾」の考え方により有罪となることはないであろうという見解です。黙示許諾については、当エントリーのコメントでRSSフィードを別のサイトに載っけられたのを訴えるのは困難と私が発言してますが、よくよく考えれば、タグをつけることで特定のサーチエンジンに載せないようにしてもらうこともできるわけなので、考え方は同じなわけでした。

栗原 潔

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栗原 潔

栗原 潔

株式会社テックバイザージェイピー(TVJP) 代表取締役 弁理士
IT、知財、翻訳サービスを中心とした新しいタイプのリサーチ会社を目指しています。

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