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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

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Georgewashington
(c) The U.S. Mint

アメリカ政府は、歴代大統領の顔を刻んだ1ドルコインを毎年4種類ずつ発行していくと発表しました("The Presidential $1 Coin Program")。

ロイターの"U.S. Mint hopes presidents encourage $1 coin usage"という記事によれば、もし1ドルコインが普及すれば自動販売機業界にとっては10億ドル(!)のコスト削減効果があるとか。紙幣を処理するというのはコストが掛かるものなのですね。
また政府にとっても数十億ドルのコスト削減効果があるそうです。これは、コインの流通期間が30~40年と紙幣のそれ(18ヶ月)よりも圧倒的に長いため。

記事を読んで、アメリカは1ドルコインを普及させようとしてうまく行かなかった経験を複数回持っていることを知りました。
生活習慣や慣れ親しんだルーチンを変えるというのは、少なくとも変える前には、苦痛に感じるもの。この1ドルコインのニュースをFast Company NOWで見かけた前日に、偶然にも「自発的な変化のための4つの前提」("The Four Preconditions for Let-Self-Change")というエントリを読んだことに気がついてハッとしました。

それによれば、変化(ここでいう変化とは、世界中の人々の価値観が変わるような大きな変化)が起きるためには、下記の前提をひとつずつ乗り越えていく必要があります:

  1. 気づき、意識 (Awareness and Attention)
  2. オープンさ (Openness)
  3. 具体的な情報 (Actionable information)
  4. 時間とエネルギー (Time and Energy)

国全体でメリットが見込めるという理由だけで個人に1ドルコインを使わせようとするには、1と2の壁がかなり高そうですね。やはり個人にもメリットがないと。

そのあたり、ロイターの記事では面白い指摘がありました。近年のインフレ傾向が1ドルコイン普及の後押しをしてくれるのでは、というのです。パーキングメーターや自動販売機などの単価が上昇し、これまでは25セント数枚で済んでいたものが1ドルの大台に乗ってくるから、というのがそのココロ。

▼ネタ元

koji

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堀内 浩二

堀内 浩二

(株)アーキット代表。
「個が立つ社会」をキャッチフレーズに、起業・転職支援やビジネスリテラシー研修などを提供しています。 個人向けにはチャレンジ応援サイト「起-動線(きどうせん)」を運営。

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