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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

« 2006年11月17日

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2006年11月24日 »

Microsoftが、ビジネスプランコンテストを開催していますね(米国で)。大賞の特典がすごいです。コンテストのFAQページを見てみると:

  • 起業資金10万ドルが貰えて、
  • ニューヨークで店舗を1年間持てて(10万ドル以内)、
  • eコマース機能付きのOffice Liveサイトを1年間ホストして貰えて、
  • Office Accounting(MSの会計ツール)、会計士、ITの専門家などのサービスが受けられる

そうです。しめて22万4千ドル相当。

応募フォームには、11の質問があります。
僕の興味はこの質問にありました。というのも、企業向けに実施しているビジネスプランの作成研修で、まさに「プランを評価するために、応募者にすべき質問を考える」というワークを実施しているので。

その11の質問を訳してみましょう。それぞれ5行くらいの回答欄があります。

  1. どんなビジネスアイディアですか?
  2. ユニークな点を具体的に挙げてください。既存のアイディアとどう違うのですか?
  3. なぜ、人々がそのアイディアに反応すると考えるのですか?
  4. 資金を調達していますか?どうやって資金を集めますか?
  5. 誰が見込み顧客 (target audience)ですか?
  6. どうやって見込み顧客の目に留まるようにしますか?
  7. 事業計画は書きましたか?
  8. 事業を始めるためにいくら掛かりますか?(概算でOK)
  9. 初年度の見込みは赤字ですか、それとも黒字?
  10. 資金計画は立てましたか?最初の12ヶ月のキャッシュフローは?(もしまだ立てていないなら、Microsoft(R) Office Accounting Expressをダウンロードしましょう)
  11. なぜあなたが選ばれるべきなのでしょう?自分の言葉で、50語以下で語ってください。

("ideaWins: The Ultimate Challenge" のentry form(PDF)より)

Office Accountingというサービスの販促が目的であるせいか、お金に関わる質問が多いですね(ちなみに当社の研修ではたった3つの質問しか許されません…皆さんならどんな質問をしますか?)

ここまではあまりハッとすることもなくて書きながら困っていたのですが、この11の回答からどうやって選考を行うか、その基準を読んでちょっとハッとするポイントを見つけました:

  • Originality (0-25 points)
  • Marketing Approach (0-25 points)
  • Financial and Logistical Feasibility (0-25 points)
  • Public Interest (0-25 points)

Official Rules(PDF)より)

Public Interestというのは公共の利益ということですよね。FAQには、消費者向けで実店舗とネットの両方で販売できるものならどんなビジネスでもOKとありましたが、公益性あるいは社会性を意識した事業を選択した方が有望ということになります。
独創性に1/4も配分するのも、特徴的に感じます。生き残ることを優先するなら模倣戦略でも問題はなく、独創性はそれほど重視されないと思うので。

ビジネスプランコンテストのお手伝いや評価委員をさせていただいています。ときどき、プランは悪くないのに、主催者の意図に無頓着なケースがあり、もったいなく思うことがあります。賞をあげたりお金を出したりするからにはそれなりの目的があります。ちゃんとしたコンテストは、上記のように評価基準によってその目的を参加者に伝えようとしていますので、参加する場合にはそこを汲んでプランをブラッシュアップするとよいかと思います。

(参考)
MS、無償の会計ツール「Microsoft Office Accounting Express 2007」を提供開始 - ZDNet Japan
Easy to use free accounting software from Microsoft

koji

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プロフィール

堀内 浩二

堀内 浩二

(株)アーキット代表。
「個が立つ社会」をキャッチフレーズに、起業・転職支援やビジネスリテラシー研修などを提供しています。 個人向けにはチャレンジ応援サイト「起-動線(きどうせん)」を運営。

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