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2/25にSandy Bridgeを搭載したMacbook Proが発表されました。ですが、その発表とは関係なくIT企業の決算を調べていて(そのうちブログに書く)、飽きたので"決算調べるのツマラネー..."と心の叫びをつぶやいたところ、父から返事をきました。

会話のつながりが...は置くとして興味があったのでSandy Bridgeを搭載したMacbook Proを購入すべきか考察してみました。

まずは前提条件は以下です。

・Macを買う(他のメーカの検討は不要)
・今使っているのはMacBook Pro 15インチ(2006年末に購入したCore 2 Duo/メモリ3GB)をリプレイスする
・メインで使用する
・用途は知らない(父が使うから)

この条件でSandy Bridge搭載のMacbook Proを買うべきを考察してみます。ついでに私はMacユーザになったことはありません。

PCを購入する上で一番ダメージを受けるのは、購入後に新しいCPU等が発表され購入したPCが色あせて見えることと、価格が急激に下がり損した場合です。これを気にする人は、PCを一生購入できないと揶揄されます。

この問題を回避するために、過去のMacBook Proの発表周期を調べました(Appleのニュースリリースを参照)。

MacBook Proの発表とスペック(17インチは除く)、IntelのCPU及びチップセットの発売時期を表にしてみました。以下は画像ですが、データは"MacBook Pro発表周期"にあります。青文字がCPUを、緑色がチップセットを、橙色はOSを、赤色がMacBook Proの発表時期になります。

MacBook Proの発売時期は、Intelの新CPUもしくは新プラットフォーム発表後、3ヶ月以内に行われています。これは他のPCメーカも同じです(日本メーカの様なシーズン毎ではない)。Intel系CPUを採用してからは、Appleの新製品投下周期が読みやすくなりました。17インチはこれから少し離れてしまいますが。

唯一Intelの発表とタイミングが合わなかったのは2009/6/9だけです。この年は、新CPUがモバイルと言いながらもモバイルに適さないClarksfieldで、且つ前回から間が開いたため、途中で新製品を投下したと予想されます。

MacBook Proの場合はあまりOSと連動しないのですね。ちょっと意外でした。

また、上記のMacBook Proの発表間隔が約37週です(最短32週、最長45週)。今、購入すれば、最低限30週は幸せな期間を過ごすことが保障されます。

2012年初頭に発売を予定されているIvy Bridgeは、Sandy Bridgeの20%程度の性能アップし、搭載GPUがDirectX 11に対応します(Sandy BridgeはDirectX 10.1までしかサポートしていない)。GPUの重要度は年々向上していることを考えれば、Sandy Bridgeとの差が大きく見えますが、外付けGPUを搭載MacBook Proを購入すれば、Ivy Bridge搭載MacBook Proが出ても心がかきむしられるほど嫉妬することはないでしょう。性能向上20%は比較しなければ感知できない差のため、気に病む必要はありません。

CPUはIntelの製品のため前後の製品を比較しやすいのですが、GPUはどうでしょうか。GPUはRadeon HD 6750Mです。AMDではサイトの説明では、Processing powerが480-696 GigaFLOPS となっています。

これと似たようなスペックは、デスクトップのRadeon HD 5670ではないかと思われます(Processing powerが620 GigaFLOPSです。iMacに採用されているGPUレベルでしょう)。

前世代のGeForce GT 330MとRadeon HD 6750Mの性能比は今後どこかでベンチマークを公開されるでしょう。スペックだけ見ていると2倍程度はあるように思えます。

また、GPUはしばらくAMDのターンの様に見えます。AMDのGPUの次世代の製品は今のところ見えていません。GPUのリフレッシュはIvy Bridgeと一緒にリフレッシュする可能性はありますが、TSMCの28nm世代は順調に出荷できるかわからないため、もしかすると2世代連続して同じGPUが採用される可能性があります。よほど重いゲームをしなければ、GPUに性能を期待する必要はないと思います。

このため、Early 2011のMacBook Proのスペック的は、しばらくはAppleの新製品のリリースを心穏やかに見ていられるでしょう(1回目のリプレイスは穏やかに、2回目は少し波風立つ程度かな?)。ハードスペック的にはArrandale搭載MacBook ProよりもSandy Bridge搭載MacBook Proの方が長く楽しめると思われます。

カタログスペックは大丈夫そうです。では、他の機能はどうでしょうか。

一番注目されているThunderbolt(Light Peak)はどのような評価をすべきか考察してみます。

USB 3.0と次世代の外部接続装置として争っていたLight Peakですが、これが初めての製品です。Light Peakに関しては"インテル、“Light Peak”こと「Thunderbolt」の概要を発表"が詳しいと思います。

一番驚いたのは、PCI-Express(4x)とDisplayPort(ディスプレイ2個)が同居されているところです。現時点ではディスプレイをデイジーチェーンできる製品がないため、宝の持ち腐れだと思いますが、ThunderboltがiMacに搭載されるころには対応ディスプレイが販売されトリプルディスプレイが簡単に構築できるようになると思われます。

これは、"PCの出荷台数を増やすために無駄に考えてみた"で書いた以下の構成がようやく実現されそうです。

早くできるようになると良いですね。

また、PCI-Expressを外に出すということは、筐体外・外付けGPUが構築できる製品がようやく世に出るのではないかと思えてなりません。今まではPCI Express(x1)カードで外だししたサンプル的な製品が出ていましたが、回線速度が遅すぎるため製品としては世に出ませんでした。

今世代ではPCI-Express(x4)程度の速度のため筐体外・外付けGPUを一般化するとは到底思えませんが、将来的には面白いかも知れません(せめてx8程度の速度で外に出すことができれば...)。

ただし、これらのことによりThunderboltが普及するかと言われるとわかりません。

ディスプレイ価格が低下した状況で、後でビデオカードを交換できないiMacやMacBook Proには、DisplayPortとしてのThunderboltは必須な機能です。

ですが、HDDアレイでデモを行っていたようですが、現在の状況でどの程度そのようなことに需要があるでしょうか。Thunderboltの転送速度を埋めるにはSSDアレイクラスが必要ではないでしょうか(見たことない)。また、ディスプレイだけならば、Thunderboltである必要性はありません。

ThunderboltがFireWireクラスで終わるのか、USBレベルまで成長するかは現時点では推測できません。Mini DisplayPortのコネクタのところはかなり微妙だと思います(コネクタを減らす目的としては悪い選択肢ではありません)。このため、現時点ではThunderboltが買いのポイントとするのは難しい気がします。こればかりは、Appleでも成功しなかった歴史(FireWire)があるだけに万全の信頼を置けません。

購入する構成ですが、メインに使用するならば13インチは選択すべきではありません。私ならば15インチMacBook Pro(Radeon HD 6490M)で、メモリ8GBに増量し、15-inch Hi-Res Glossy Widescreen Displayを選択します。私は本ブログでスペックがどうのこうの書くことがありますが、CPUのスペックは低いほうがコストパフォーマンスが良いと考える派です。

17インチやRadeon HD 6750Mを選択したい場合は、持ち運べるMacBook Proにその機能が必要な場合だけです。逆に言えば、17インチ or Radeon HD 6750Mクラスが必要ならば、iMacを勧めます(ただし、iMacはまだSandy Bridge搭載が発表されていないため、もう少し待つべきです)。そちらの方が経済的だからです。

また、SSDはお勧めしません。理由は、純正のSSDの価格が高すぎるため、他の製品を購入して入れ替えたほうが経済的だからです。また、まだSSDはバイトあたりの単価が落ちやすい製品で且つ交換しやすい部品のため、そのときそのときのコストパフォーマンスが良いものを購入する方が良いと思われます。

このため、Sandy Bridge搭載MacBook Proを今購入するのはベストです。構成は15インチクラスで、ディスプレイを高解像度にしてメモリを大量に搭載し、他は低スペックをお勧めします。17インチや高スペック版が必要ならば、もう少し待ってiMacにしたほうが良いでしょう。

半分は出しますので、こんな構成でどうでしょうか > お父さん

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櫻吉 清(さくらきち きよし)

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