« 2009年1月21日

2009年2月2日の投稿

2009年2月3日 »

記録メディアの次世代規格戦争でブルーレイがHD-DVDに勝利してから1年になります。 PS3の販売促進によるブルーレイディスク再生環境の浸透、歩留まりの悪さ(2006年当初はHD-DVDの半分程度)の克服、 そして何よりも映画業界の囲い込みに成功したことが勝敗の鍵となったのは皆が知るところだと思います。

今ではブルーレイも大分一般的になり、コンテンツ再生機を購入するならブルーレイ対応が当たり前の世の中になりつつありますが、 そんな状況に一石を投じるトンでもないニュースを耳にしました。

「中国、次世代DVD規格「レッドレイ」を発売-ブルーレイに対抗」
http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=5631

(以下、引用)
『中国武漢市でこのほど、中国独自の次世代DVD規格「紅光(レッドレイ)」プレーヤーとディスクが発売された。 中国はこのレッドレイディスクで、全世界に普及している「ブルーレイディスク」に攻勢をかけていくという。

 中国では現在、世界のDVDプレーヤーの約80%が生産されているが、 そのコア技術や特許はすべて外国企業が保有している。中国はDVDプレーヤーを輸出する際に、 1台あたり18ドルの特許使用料を支払う必要があり、収益性の低さに問題を抱えている。この問題を解決するため、 2004年末から武漢高科集団などの研究機関が中国独自のディスク開発に取り組んできた。
 
 今回発売されたレッドレイ対応のDVDプレーヤー「九州ハイビジョン」は、 記憶容量が12ギガバイト以上のレッドレイディスクが再生できるほか、従来の DVDも再生することができる。 同製品は既存のDVD生産ラインで生産できることから、今後世界市場に向けて積極的に売り込んでいく計画という。』


中国では人民日報をはじめ複数のメディアが1月23日付で報道しています。

「中国の開発したレッドレイNVD、武漢で発売開始」
http://j.people.com.cn/94476/6580459.html

ブルーレイは記録密度を増やすために波長の短い青色レーザーを使用しており、一方で今回の規格は赤色レーザーを利用していることから 「レッドレイ(紅光)」という呼び方にしたそうです。

中国紅光高清(Chinese Red High Definition)というのが正確な呼び名ですが、 従来のDVDも赤色レーザーを利用しているので新しい技術というわけではありません。 記事の内容からは国外企業への特許使用料を回避することを目的にしていると説明がされていますが、 これには少々薄ら寒い思惑が透けて見えます。

大前提として、中国は世界最大の海賊版市場であることを忘れてはなりません。正規コンテンツのコピー(海賊版) はDVDで流通することがほとんどであり、 これまではDVDの流通に比例した莫大な特許使用料だけはとりっぱぐれ無く回収できていたワケです。 それを特許使用料不要のレッドレイで海賊版が展開されるとしたら、果たしてどうなりますかね。 ますます対価が正当に支払われない状況に陥るのではないでしょうか。

記事では世界展開も視野に含めていると述べてありましたが、こうした思惑を覆い隠すための建前でしかなく、 実際には中国国内限定の記録メディアになるに違いないと思っています。考えるまでもなく、 HD-DVDに打ち勝ったブルーレイにレッドレイが勝てる道理がありません。


ちなみに前述しましたが、従来のDVDプレーヤーは全て赤色レーザーを利用しているので、 私の家のDVDプレーヤーもレッドレイと言い張って良いですかね。

 

NAKA

« 2009年1月21日

2009年2月2日の投稿

2009年2月3日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

中 寛之

中 寛之

アクセンチュアに勤務。
ITIL Managerとして、システムインフラのコンサルティングを中心に、業務領域まで幅広く担当しています。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
infra
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ