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その発想はなかった!中国、ブルーレイに対抗してレッドレイ(紅光)を発売

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記録メディアの次世代規格戦争でブルーレイがHD-DVDに勝利してから1年になります。 PS3の販売促進によるブルーレイディスク再生環境の浸透、歩留まりの悪さ(2006年当初はHD-DVDの半分程度)の克服、 そして何よりも映画業界の囲い込みに成功したことが勝敗の鍵となったのは皆が知るところだと思います。

今ではブルーレイも大分一般的になり、コンテンツ再生機を購入するならブルーレイ対応が当たり前の世の中になりつつありますが、 そんな状況に一石を投じるトンでもないニュースを耳にしました。

「中国、次世代DVD規格「レッドレイ」を発売-ブルーレイに対抗」
http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=5631

(以下、引用)
『中国武漢市でこのほど、中国独自の次世代DVD規格「紅光(レッドレイ)」プレーヤーとディスクが発売された。 中国はこのレッドレイディスクで、全世界に普及している「ブルーレイディスク」に攻勢をかけていくという。

 中国では現在、世界のDVDプレーヤーの約80%が生産されているが、 そのコア技術や特許はすべて外国企業が保有している。中国はDVDプレーヤーを輸出する際に、 1台あたり18ドルの特許使用料を支払う必要があり、収益性の低さに問題を抱えている。この問題を解決するため、 2004年末から武漢高科集団などの研究機関が中国独自のディスク開発に取り組んできた。
 
 今回発売されたレッドレイ対応のDVDプレーヤー「九州ハイビジョン」は、 記憶容量が12ギガバイト以上のレッドレイディスクが再生できるほか、従来の DVDも再生することができる。 同製品は既存のDVD生産ラインで生産できることから、今後世界市場に向けて積極的に売り込んでいく計画という。』


中国では人民日報をはじめ複数のメディアが1月23日付で報道しています。

「中国の開発したレッドレイNVD、武漢で発売開始」
http://j.people.com.cn/94476/6580459.html

ブルーレイは記録密度を増やすために波長の短い青色レーザーを使用しており、一方で今回の規格は赤色レーザーを利用していることから 「レッドレイ(紅光)」という呼び方にしたそうです。

中国紅光高清(Chinese Red High Definition)というのが正確な呼び名ですが、 従来のDVDも赤色レーザーを利用しているので新しい技術というわけではありません。 記事の内容からは国外企業への特許使用料を回避することを目的にしていると説明がされていますが、 これには少々薄ら寒い思惑が透けて見えます。

大前提として、中国は世界最大の海賊版市場であることを忘れてはなりません。正規コンテンツのコピー(海賊版) はDVDで流通することがほとんどであり、 これまではDVDの流通に比例した莫大な特許使用料だけはとりっぱぐれ無く回収できていたワケです。 それを特許使用料不要のレッドレイで海賊版が展開されるとしたら、果たしてどうなりますかね。 ますます対価が正当に支払われない状況に陥るのではないでしょうか。

記事では世界展開も視野に含めていると述べてありましたが、こうした思惑を覆い隠すための建前でしかなく、 実際には中国国内限定の記録メディアになるに違いないと思っています。考えるまでもなく、 HD-DVDに打ち勝ったブルーレイにレッドレイが勝てる道理がありません。


ちなみに前述しましたが、従来のDVDプレーヤーは全て赤色レーザーを利用しているので、 私の家のDVDプレーヤーもレッドレイと言い張って良いですかね。

 

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