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【英語で考えること】

三回目の「壁」のテーマは、英語で考えること。

英語で考える、というのは「英会話」をするためにはほぼ必須となる要素だ。作文であっても、英語としての論理の流れを作るには必要となる(必須ではないかもしれない)。

これはよく言われることだが、英語は結論が先に、動詞が先に来るが、日本語は結論、動詞が後にくる。イメージ的には、日本語は目的語や条件を一旦スタックにつんで、最後にそれがどうだ、という結論を言う。だから日本語は最後まで聞かないと結論が分からない。長くしゃべったあとで、「。。。ではありません」、と否定することができる。そして主語はなく、その場の文脈から主語きまることが多い。英語はまず主語(誰が?)というのがあって、次に否定か肯定か、そして動詞で、最後に目的後、その後に、あれば条件。この順序が全く違う。ちなみに、この「結論先」の考え方はかなり徹底されており、例えば、"I think it is not …" という文章は、ほとんどの場合、"I don’t think it is …" と構成される。このことを知らない日本人は多いが、あくまで否定が先なのだ。

Talking さて、話すことを考えると、この順序の違いのため、英語を話している自分と日本語はなしている自分はちがうモードにいることに気付く。英語で話しているときは、あきらかに英語で考えているようだ。頭で思いついて、それが文章となり、口や舌の筋肉を動かす、というパイプラインを考えると、その間にデータの一次保持場(スタック)を作らないことが肝。日本語で考えて英語に直して、発話、という順序ではそのスタックの記憶容量が足らず、スピードも出ない。会話について行けない。素直に、主語、結論、動詞の順に「思いつく」⇒「発話する」のパイプラインに言葉を流すようにする。

これは、なれると出来るようになる。実は、おもしろいことに、英語で先に来る結論の部分、主語、否定肯定、動詞、は、感情に結びついていることが多い。「You!…」と叫んで相手を罵って話しを始めたり、「Don’t…」で始まる子供に対する叱り、「I have NEVER…」という誤解の訂正、「Run!」と言ったときの身体感覚、などなど。感情と結びつきやすい「主張」が先頭にある。

それほど強い感情ではないが、気分と動詞が結びつく例を1つ(あまりいい例じゃないかな。。)。「彼はきっと病気じゃないかな?」と考えたとする。こう思った感情を口にするとき、最初にでる単語は、

 I suspect …

だ。suspect は、guess でも、think でもよい。それは自分が感じた気分による。想像してみてほしいのだが、この文章を言っているときは、おそらく、首を傾げたりしているはず。日本語では、「じゃないかな?」だ。これがこの気分だ。「I suspect」を発話した後で、やおら、「he is sick」とやる。「じゃないかな?」という部分は日本語特有の表現で、これを文字どおりの英語 (isn’t it とかや、こねくりまわしたなんか)にしようとすると失敗する。これを英語的に言うとすると、主語と動詞をはっきりさせて「私は推測する」ということになる。

これは一例に過ぎないが、とにかく主張から、主語から、いいたいこと(実は気分と直結しているので、動詞や否定肯定となる)結論から先に頭に浮かべて口にだしていく、という、これは訓練しかないと思う。

さあ、英語で考えるためのお勧めの学習法だが、「英語しかしゃべれない環境に少なくとも1週間いる」こと。ぼくも高校時代に、そういう合宿に参加した後で大きな変化があった。とにかくしゃべらなければならくなる。考え方が逆さになるから、きついが、人間の能力はすごくて、これを克服するとできるようになる。この機会があるかどうかで、英語モードの脳になれるかどうかが決まる気がする。

ソフトウェア技術者としてのお勧めは、海外のカンファレンスに参加すること。飛行機や宿泊などの場面では、一般の英会話をためし、そしてカンファレンスでは誰でも捕まえて話しをしてみる。「日本人の友人と行く」というのはお勧めしない。自分が変身するには、誰も知っている人がいない、くらいの環境がちょうどよい。一緒にいっても、途中からは同行しないくらいの覚悟で行こう。あくまでも、現地でしゃべらなければならない環境に身をおくことだ。そして、海外の人がいかに自分の意見をずばずばと、普通に表現するのか、という文化的ショックを体験すること。これがきっと次の自分のステップのモチベーションになるはずだ。

(つづく)

(※写真は内容と関係ありません http://www.flickr.com/photos/66164549@N00/2339488193/

平鍋

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プロフィール

平鍋 健児

平鍋 健児

株式会社チェンジビジョン代表取締役社長、永和システムマネジメント副社長。
オブジェクト指向開発、UMLの勘所、アジャイルな開発手法の未来、マインドマップのソフトウェア開発での利用方法、プロジェクトファシリテーション(見える化)を語ります。現在、マインドマップとUMLの融合エディタ、astah*(アスター、旧JUDE)を開発中。

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