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永和システムマネジメントの川上さんが、プロジェクトファシリテーションの中でももっとも効果が高いとされるプラクティス、「ふりかえり」のワークショップを開催します。

http://www.shoeisha.com/mag/kaihatsu/workshop/

有料セミナーですが、ぜひ、現場リーダー教育としてご活用ください。実際に参加してファシリテーション(司会のやり方)を体験してもらうことで、もちかえって自身の現場をカイゼンするきっかけを掴むことが、目標です。

ふりかえり、というのをご存知ない方のために、簡単に解説を。。。

ふりかえり、というのはチームが1つの開発単位(一週間とか一ヶ月とか)を終えたあとで、その期間をふりかえって、「次に活かせる何か」をチームで発見しよう、と言う試みです。うまくいったことは続ける。うまく行かない問題は、解決を考える。

Furikaeri1  KEEP = 続けて行きたいこと、PROBLEM=問題点、TRY=次回に試してみたいこと、という3つのカテゴリにわけて、チームが全員参加でアイディアを交換し、「問題 vs. 私たちの構図」へと持ち込んで、なんとか自分たちで実践できるTRYを編み出していきます。

Furikaeri2うまくいくと、定着したプラクティスに自分たちの名前がつき、チームが螺旋階段を1ステップあがる(カイゼンする)のを体験できます。

「ふりかえり」はチームが自己カイゼンするための仕組みを、プロセスの中自身に埋め込んでしまう、という発想です(*1)。みんながなんとなく思っている問題点なんかを、「書いて*さらして*しまう」ことで、「あ、なんだ、みんなそう思っていたのか」という発見の共有があり、その発見を、じゃあ、どうやったら「自分たちの力で」少しでもよく出来るか、と考えます。

ソフトウェアの現場は、日々状況が変わりやすい、という「悪天候の山登り」に近いといえるでしょう。そういった状況では、みんなで知恵を出し合い、過去の経験や知見から問題解決の糸口を探ること、そしてやってみてうまく行ったことは続けていくこと、が大切なんだと思います。

実際やってみると、ファシリテーション次第で、意外な人からいい意見がでたりして、チームのムードがよくなります。また、リーダーが決めるのではなく、全員で決めるので、納得感をもって次に進めます。このファシリテーションのやり方は、ガイドラインとしてオブジェクト倶楽部でまとめていますので、参照してみてください。http://www.objectclub.jp/download/files/pf/RetrospectiveMeetingGuide.pdf

また、mixi にも、「国際ふりかえり学会」というコミュがあります。ぜひご参加を。

(*1)難しくいうと、人間のメタ認知能力を活用し、オートポイエーシス的システムとして開発プロセスをデザインしていることになります。でも、実際に日本の生産革新の現場ではごくごく自然に行われてきたことなんですね。

平鍋

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プロフィール

平鍋 健児

平鍋 健児

株式会社チェンジビジョン代表取締役社長、永和システムマネジメント副社長。
オブジェクト指向開発、UMLの勘所、アジャイルな開発手法の未来、マインドマップのソフトウェア開発での利用方法、プロジェクトファシリテーション(見える化)を語ります。現在、マインドマップとUMLの融合エディタ、astah*(アスター、旧JUDE)を開発中。

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