『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2013年3月25日

2013年3月26日の投稿

2013年3月27日 »

IBMやオラクルなど外資系企業では、ビジネスパーソンがブログなどを通じて情報発信することを積極的に推奨しています。

IBMの場合、2005年春からIBMの社員に対して公式の「IBM ソーシャル・コンピューティングのガイドライン」を公表しています。

ガイドラインに関する内容を一部ご紹介したいと思います。

はじめの章では、

IBMは、ソーシャル・コンピューティングでのオンライン・コミュニケーションを通じて、 IBMerをグローバルな意味でのプロフェッショナル、イノベーターおよび企業市民の一員として育てることに力を入れています。これらの個々の交流は、もはやマス・コミュニケーションではない、コミュニケーションの広がりという新しいモデルを示しています。オンライン・コミュニケーションを通じて、IBM の最大の資産である社員の専門知識を、お客様、株主およびそれぞれの地域コミュニティーと共有することができます。

と書かれています。社員の専門知識を、オンライン・コミュニケーションを通じて、お客様や株主、そして地域コミュニティと共有し、社員をグローバルでのプロフェッショナルやイノベーター、企業市民として育てていくという取り組みをしています。

習得する:
イノベーション企業であるIBMは、IBMとお客様、そして新興企業やソーシャル・エコシステムを形成している組織との自由な交流が知識の習得に重要であると考えています。ソーシャル・コンピューティングは、組織や個人の成長に重要な場となっています。

貢献する:
IBMは、会社として、イノベーターとして、また企業市民として、世界や、ビジネスとテクノロジーの未来や、さまざまな社会的課題を解決するための公共の対話に大きく貢献していきます。私たちは、企業活動を通じて、企業、政府、教育、医療、および非政府機関に変革への洞察や高価値のイノベーションを提供しています。現在、私たちが見聞きしていることや展開しているわくわくするような事柄を世界と共有し、他者から学びとることは、IBMとIBMerにとって重要なことです。

ソーシャルメディアは、組織や個人の成長おいて習得する上での重要な場、そして、市場との対話を通じての貢献することの重要性が書かれています。

後半では、「身分を明かして活動しましょう」、「一人称で語りましょう」、「免責文を使いましょう」といったように、ソーシャルメディアで情報発信や対話を支持する一方で、守るべきガイドラインも示されています。

私の知人でもIBMの社員の方々で会社名を明記し、積極的に情報を発信しているケースをよく目にします。

一方、日本企業の場合は、こういったガイドラインや、会社名を明記して発信するケースはあまり目にすることがありません。

これまで、ブログの中でもご紹介してきましたが、ブログは専門性を表現するツールであると考えています。また、社員がブログを通じて専門性をお客さまをはじめ、多くの人と共有していくことは、会社自体のブランド向上にもつながる取り組みになるのではと考えています。

社員がブログを通じて専門性を共有していくというケースは、決して多いとはいえない状況ではありますが、この先その重要性が増し、社員としてブログを発信する機会を支援するためのガイドラインなどの対応も増えていくのではないかと、期待も込めて感じているところです。

 

 

MASAYUKI HAYASHI

« 2013年3月25日

2013年3月26日の投稿

2013年3月27日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ