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5年後のテレビはどうなっているのでしょうか?

経済産業省は2013年2月28日、「次世代テレビのあり方について施策提言」を公表しました。

テレビを取り巻く背景は、デバイスの多様化や、インターネットによる配信などによる取り巻く環境は多様化し、視聴者は時間や場所を気にすることなく視聴できる環境が整いつつあります。

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本提言では、5年後のテレビのあり方について以下のとおりまとめています。

(1)よりシームレスに
・セカンドスクリーンとの連携
・クラウド活用サービス(コンシェルジュ)
・ユーザーインターフェースの進化

(2)より創造的に
・4Kや8K(スーパーハイビジョン)
・映像コンテンツの消費データの活用
(コンテンツ評価手法の革新など)

(3)より生活に役立つ
・端末の役割の拡大
(EMSの表示機能、見守りサービス、
健康管理サービス、ネット販売・・)
・ビッグデータの活用

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施策提言では、

(1)端末の進化のために
・4K、8Kへの対応
・無線LANなど端末間連携機能
・HTML5等国際規格への対応
・操作性向上、高齢者等対応向上
・パネルと情報処理部の分離
・APIの公開

(2)コンテンツの進化のために
・放送通信同期技術等確立
・メタデータ形式の標準化、API公開
・安全安心な視聴環境
・スーパーハイビジョン対応放送
・レコメンド機能等充実
(クラウド等で視聴状況を把握)

(3)サービスモデルの進化のために
・新たなサービスモデル
(利用者参加・負担型、レコメンド
機能の充実など)
・多様なデータのAPI化
・サービスの運用ルール
・公的なIDの活用
・ビッグデータの活用

の3つをあげています。

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今後の動向として注目されるのが、スマートテレビを取り巻く新たなビジネスモデルです。

ポイントなるのが、映像コンテンツの消費データの活用と考えています。施策提言のなかでは、メタデータ形式の標準化やAPIの公開、クラウド等で視聴状況を把握し、レコメンド機能をあげています。テレビのメタデータがAPIなどを通じて、様々な事業者が購入し活用できるようになれば、O2Oに代表されるようにリアルとの連携も含め、様々なビジネスチャンスが生まれてくるでしょう。さらに、公的IDの活用(マイナンバーなど)とも連携すれば、公共サービスとしてのテレビの活用の可能性も生まれてくる可能性があります。

5年後、テレビがどうなっていくのか、テレビメーカ、放送事業者、通信事業者など、様々な事業者がスマートテレビ事業に参入し、新たなスマートテレビのエコシステムが形成され、新しいビジネスモデルが生まれるテレビ市場の中で最も進化の大きな5年間となるのかもしれません。

 

 

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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