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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2012年10月13日 »

2012年10月11日、高知県土佐市で開催された「MIJS土佐ワークショップ」に参加をしてきました。

その模様を少しご紹介したいと思います。

土佐ワークショップ運営委員長の福島氏

冒頭の挨拶では、今回のMIJS土佐ワークッショプ実行委員長である高知県に本社を置くタイムコンシェル株式会社社長の福島 元幸氏から開会の挨拶がありました。福島氏の思いは、地域の活性化を通じて、日本を元気にする、MIJSの理念を人を通じて伝えていくという思いがあり、高知が元気なことをMIJSのメンバーに伝えたかったことから、高知県知事に講演をお願いし、今回、高知の開催に向けて、準備を進めてきました。

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青野社長がテレビ会議を通じてコメント

サイボウズは、愛媛県松山市で開始した会社。地方からもソフトウェアが売れるという思いで会社を創った。実際には人が集められず、愛媛から大阪、そして、東京に本社を移しています。東京から大阪、松山に逆流している。東京はエンジニアが逼迫していて採用できなくなっているので、大阪、松山になり、松山は60名ぐらいの社員数となり、地方の時代になっています。クラウドが進み、さらに地方の存在感が高まっています。地方でヤル気のある会社が出てきて、新しい産業が生まれることを期待しています。皆さんと新しい時代を創っていきたいと思います。

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MIJS 内野理事の挨拶

2006年8月に設立したが、ずっと熱い活動をしています。その思いは危機感を使命感で作りました。日本のソフトウェア産業は非常にまずい状況にあります。日本から海外に輸出するケースが少ない。ソフトウェアはすべての産業に関係しています。日本は特殊なシステム開発をしてきました。83%がスクラッチで残りがパッケージと状況です。アメリカは逆で65%がパッケージでシステムを作っています。スクラッチで作るとなるとコストの負担がかかります。

スクラッチ開発をしていると、保守的な作業をしがちになります。先端的な対応ができない。このような状況は、一極集中となり、人が東京に集まります。単価をあげるために上級SEにしていくため、現場のSEが少なくなるなどの危機感があります。

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次に使命感です。Quolityという会社は、拠点が和歌山の白浜に最高な職場環境を用意しています。人数も白浜にシフトし、地元との関係も良好。和歌山県知事はQuolityという会社を良く知っています。こういた地域とつながりが大切です。

地域に力になるようなパッケージビジネスを広げていきたいという強い思いがある熱い団体である。日本という国がソフトウェアで世界をひっぱれるか。日本人の素晴らしさは、五感である。繊細な感覚でソフトウェアを作ると人にとって心地の良いものになる。緻密な作業をするのか得意なので、そのDNAが入っているので品質が高まる。世界に対しても強い優位性がある。

日本人はサービス精神があり、人に対してのホスピタリティがある。絶対に日本からソフトウェアやサービスが出せると思っている。勇気と情熱があればブレークスルーができる。龍馬の心をビジネスに向けて発信し、それを受け止めていきたいと思います。

高知県尾崎知事の講演(日本を支える真の地方力とは)

少子高齢がが急速に進んでいます。就業者人口が毎年5000人減少しています。平成9年には2兆円が売れていたが、平成19年1兆6千億円まで縮小しています。高知県は極端例であるが、地方においても同じ減少が起きていく可能性があります。今、総合力が試されています。足元の経済が縮んでいる中で、外で稼いでいくモデル、地産外商をしていかなければなりません。雇用を生み出していく事業ができるか、その困難性に直面しています。生産から加工・流通・販売、官民共同で進めています。

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高知県では、産業新興計画を進めています。成長戦略や地域のアクションプランなどを通じて、事業を進め、販路を開拓している。共通のプラットフォームを用意し、ローコストで首都圏に販売でくるような331施策を展開しています。官民共同でビジネスの定着を目指しています。田舎だからこそ外に出ていく仕組みをもりあげていきたいと思います。

IT分野においては、一次産業へのIT活用による効率化や付加価値の向上を進めている。たとえば、先進的技術を導入した「こうち新施設園芸システム」の開発を行なっている。高知県の一次産業を伸ばしているためには、人が減少しても生産性を向上をし付加価値を高めていく仕組みが必要と考えています。

ITを活用したものづくりでは、津波に備える自動化システムの開発や、スマートフォンでコントロール可能な小型施設調査ロボットの開発をしています。また、ポータルサイト(高知まるごとネット)等を活用した情報発信による地産外商の推進を行なっています。さらに、高知県製造業ポータルサイトを作り、産業新興センターなどと連携をし、3年間での成果は5億円を超えていますが、さらに高い成果をあげていきたいと思います。

コンテンツ・ビジネスにおいては、ソーシャルゲームによる産業創出事業を進めています。高知県はクリエーターの数が比較的多い。「小悪魔の条件」や「新龍記ギルトファンタジア」などの成果があり、コンソーシアムをつくり、さらに盛り上げていきたいと考えている。人材育成では「e職人養成塾」で進めています。

高知県では、今後のITを活用した地域の活性化と産業新興において、eコマースの活用による市域産品の販売促進、都市圏IT企業のサテライトオフィスとの誘致、コンテンツ・ビジネスの育成、全国に通用する観光地づくりを進めていきたいと思います。また、高知では、南海自身対策のさらなる加速化、人口減少、高齢化、過疎化への対応が必要となっています。IT産業の人材育成ももっともっと力をいれていきたいと考えています。

熱い志を持った皆さんに大いに期待しています。

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、IT Leaders 編集長 田口 潤 氏をモデレーターに、尾崎知事、MIJSの会員企業、そして、高知の企業がパネルディスカッションに参加されました。ポイントのみご紹介したいと思います。

モデレータ:
IT Leaders 編集長 田口 潤  氏
(株式会社インプレスビジネスメディア 取締役 編集局 局長)
パネラー:
高知県知事 尾﨑 正直 氏
MIJS理事 平野 洋一郎 氏(インフォテリア株式会社 代表取締役社長)
MIJS理事 梅田 弘之 氏(株式会社システムインテグレータ 代表取締役社長)
駒井 拓央 氏(株式会社ネオレックス 取締役社長)
加藤 稔 氏(株式会社ソフテック 代表取締役社長)
渡邊 基文 氏(株式会社シティネット 代表取締役社長

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「自立とは何か」

梅田氏
世の中にないものを作るのが好き。

平野氏
以前は外資系に務めていたが、14年前にインフォテリアを設立した。これから世界に打っていきたい。

駒井氏
本社を名古屋においているベンチャー企業でバイバイタイムカードという勤怠管理のクラウドサービスを展開している。若い人が戻ってくる地域を作ること大切だと考えています。

加藤氏
19年前に個人向けのパッケージソフトから始まった。

渡邊氏
12名のベンチャー企業でCMSを展開しており、製造業向けのポータルのシステムを構築しています。パッケージの強さを認識しています。

次に「自立」というテーマで、パネリストからコメントがありました。

尾崎知事
地産外商が自立の姿と考えています。地産が得に大切だと考えています。地域にあるものを商品にし、外に持って行って売れる状態にしていくことが自立と考えています。

駒井氏
「本質」。クラウドはいつでも解約されるため、本質で忠実に対応し、ビジネスを持続させていくことが自立を考えています。

梅田氏
「存在」。存在を認められる存在になることが重要と考えています。愛媛のサイボウズは代表例。そのためには、よそにないようなものをパッケージ化してしていくなどの対応が大切です。

加藤氏
「他社を追随を許さない商品サービスづくり」

渡邊氏
「自由意志⇒すべて責任⇒自社ブランドの確立⇒顧客創造」

平野氏
「自立⇒自律、雇用⇒個要」
個々に必要とされる状況にすることが、自立型経営と考えています。

「今後何をやるべきか」

尾崎氏
「差別化」が大切だと考えている。「地産地消」、「地産外商」。そのから見た時の価値があるのかが大切。

平野氏
「違い」違いこそが価値の源泉。違いがらあるからこそ交換が発生し、経済価値が生まれる。

梅田氏
「独創」世の中にないようなアイデアで展開し、全国にアピールするモデルをやって勝負すること

加藤氏
「商品」

渡邉氏
「社風」

駒井氏
「文化」

MIJS各社ソリューション紹介

MIJS各社ソリューション紹介では、MIJSプロダクトビジネス推進委員会 副委員長/経営力向上WG長 山崎 篤氏(コクヨS&T株式会社 @Tovas事業開発部 部長)から、MIJS会員企業を中心に26社各社のソリューションの紹介がありました。山崎さんが、各社のソリューションを1分でコンパクトにまとめられています。

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山崎さん、お疲れ様でした。

最後に、MIJS理事長 美濃 和男 氏(株式会社エイジア 代表取締役社長)より、MIJSの活動において、世界の中の日本、世界を牽引する日本を引き継ぎたいといった趣旨のご挨拶がありました。

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最後は、桂浜で懇親会(大宴会)が行われました。途中で雨が降りましたが、皆さん、熱気にあふれていて、とても有意義な交流が図られたのではないかと思います。

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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