『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2012年7月29日

2012年7月30日の投稿

2012年7月31日 »

情報通信白書2012」からの引用を中心に、ビッグデータの動向についてまとめてみたいと思います。

ユビキタスネットワーク社会の完成

  • LTE に代表されるワイヤレス・ブロードバンドの発展・普及
  • Wi-Fi の広範な端末機器への導入・家庭内外におけるアクセスポイントの整備による有線網・無線網の統合利用
  • 放送のデジタル化による通信との融合・連携型サービスの拡大など、特に無線通信技術の革新

などを背景に、これまでバラバラに運用されていた個々のネットワークを統合的に利用することが可能となった点が指摘されています。

また、これまで個々の企業等に分散して設置されてきたサーバーなどコンピュータ資源についても、クラウドを通じて利用者向けサービスとして提供されるようになり、統合の方向に進みつつある点も指摘しています。

また、「ソーシャル」化が特に若年層を中心に進展し、人と人との絆の強化を通じて国民の幅広い層の社会的包摂に貢献する可能性が示されています。

さらに、スマートフォンやタブレット端末の世界的な普及は、このように進化したネットワーク・サービス環境に、誰もが、どこでも接続し、インターネット上に展開する多種多様なサービスの利用を可能にしつつある点をあげています。

これによって、スマートフォン、タブレット端末の登場により、利用者は、電子書籍など、複数のスクリーンを用途により使い分けや連携させるマルチスクリーン型のサービス利用がいつでも、どこでも可能となったとしています。

M2Mの進展

インターネットの世界では、人と人との結びつきにとどまらず、モノとモノとの間でも、人間を介在せずに相互に情報交換し、様々な機器に埋め込まれたセンサーネットワークにより自動的に最適な制御が行われるシステム(M2M)が進展しています。M2Mとクラウドとの連携、そして、次に述べるビッグデータの活用により、社会インフラの効率的制御や業務改善に役立てる動きが顕在化しています。

image
出所:情報通信白書2012

本白書では、インターネット・携帯電話の社会基盤化、ワイヤレス・クラウド・ソーシャルを背景とするネットワーク・サービス環境の進化に加え、スマートフォン等の登場により、ユビキタスネットワーク環境が具体的な全体像を顕したということができると指摘しています。

これらの流れは、単なるコミュニケーションツールを超え、民主主義の基礎となる表現・言論の自由を確保し人と人との絆を強化する基盤としての役割、様々な財・サービスがデジタル情報となって国境を越えて流通する基盤としての役割を担うに至っていると指摘しています。

デジタル情報の爆発的な普及とビッグデータ

これらのインターネットやクラウドの社会基盤化によって、ネットワーク上に流通・蓄積されるデジタル情報の爆発的な増大をもたらしつつあります。利用企業等は、ビッグデータの生成・収集・蓄積が可能・容易になり、これらのデータの分析・活用による異変の察知や近未来の予測等を通じ、利用者個々のニーズに即したサービスの提供、業務運営の効率化などが可能となっています。さらに、ビッグデータの活用による新産業の創出も期待されています。

ビッグデータの定量的な価値は、

  • 50億台の携帯電話が使用(2010年)
  • 300億のコンテンツが毎月Facebook上で共有
  • IT費用の5%増加で、年間40%増のデータ創出
  • 米国のヘルスケアでは年間3000億ドルの価値創出が期待(スペインの年間ヘルスケアコストの2倍)
  • EUの公共セクターでは年間2500億ユーロの価
    値創出が期待(ギリシアのGDPを超える)
  • 個人の位置情報データを活用することで年間6000億ドルの消費者価値創出が期待
  • 小売の営業利益に60%改善の見込み

と、その効果が示されています。

image
出所:情報通信白書2012

ビッグデータの分析活用例では、

  • 製品開発:どのような製品を開発することが消費者に対して訴求するかがわかる。
  • 販売促進:誰に、何を、いつ売ればよいのかがわかる。
  • 保守・メンテナンス・サポート:いつ、どのようなメンテナンスを行えばよいかがわかる。
  • コンプライアンス:不正の予兆や、特に注視するべき事象が何であるかがわかる。
  • 業務基盤・社会インフラの運用:全般的な性能向上・コスト削減が実現される。

ビッグデータ活用は、アマゾンのECサイトなど、既に各種オンラインショッピングサイトにおける利用者の購買履歴に応じたレコメンド表示など具体化する動きも広まっています。

スマートグリッドにおいても各家庭に蓄積されているスマートメーターのデータは、社会インフラ運用におけるビッグデータ活用の一例と言えます。今後、スマートグリッド、さらにはスマートコミュニティ、スマートシティなど、社会インフラ構築の動きは加速することが予想され、クラウドやビッグデータの位置づけは大きくなっていくことでしょう。

情報通信白書2012では、ユビキタスネットワーク環境とビッグデータの活用などによる「スマート化」の融合を「スマート革命」と定義しています。

image
出所:情報通信白書2012

多種多量の情報の流通・蓄積とその分析・活用がクラウド上で進むことで、新たな付加価値が創造される知識創造基盤への進展が期待されます。

 

 

※担当キュレーター「わんとぴ

OneTopi「クラウド」@cloud_1topi(クラウド)   OneTopi「情報通信政策」@ict_1topi(情報通信政策) OneTopi「電子書籍」@ebook_1topi(電子書籍)

OneTopi「モバイル」@mobile_1topi(モバイル) OneTopi「SmartTV」@smarttv_1topi(スマートテレビ)

OneTopi「地域活性化」@localict_1tp(地域活性化)OneTopi「スマートシティ」@smartcity_1tp(スマートシティ)

MASAYUKI HAYASHI

« 2012年7月29日

2012年7月30日の投稿

2012年7月31日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ