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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2012年1月31日

2012年2月1日の投稿

2012年2月2日 »

総務省は、2012年1月23日、「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第61回) 」を開催しました。

総務省の事務局からは「コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料PDF」が提示されています。本資料をもとに、日本におけるコンテンツ制作と流通において整理をしてみたいと思います。

世界全体のコンテンツ市場は2011~2015年は、平均5.7%で成長すると予測しています。日本のコンテンツ市場は、ここ数年、約11兆円規模で推移しています。

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出所 コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料 2012.1.28

日本のコンテンツ市場規模の約11.2兆円のうち映像系コンテンツ市場は5.3兆円で、映像系コンテンツ市場の約7割がテレビ番組となっています。

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出所 コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料 2012.1.28

各メディアの広告費の比較を見てみましょう。インターネットの広告費の増加に対して、他のメディアの広告費は減少傾向にあります。インターネットの広告費は、2009年に新聞を逆転しています。テレビの広告費は、10年前の2兆円以上から1兆7千億円程度に減少しています。ソーシャルメディアやスマートフォンなどの利用拡大により、インターネット広告はさらに増加していくと予想されます。

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出所 コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料 2012.1.28

放送局の売上高が年々減少傾向にある中で、ネット動画配信は市場を伸ばしています。その背景には、インターネット広告市場の成長、有料会員の増加んあどがあげられます。今後はテレビ向けVODサービスの拡充やスマートフォンの普及により、その市場はさらに拡大していくことが予想されます。放送事業者によるVODサービス、ラジオのIPサイマル放送等の取組も本格化することで、ネット動画配信の市場は多様化と競争激化も予想されます。

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出所 コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料 2012.1.28

2012年はCESのイベントなどでも話題となった「スマートテレビ」の台頭が注目されています。テレビ放送の視聴以外に、インターネットを経由して映像等コンテンツの視聴や各種サービス・アプリケーションの利用が可能となり、テレビの視聴スタイルを大きく変えていく可能性を秘めています。スマートフォン、タブレットPCなどのモバイル端末との連携も進んでおり、マルチデバイスからスマートテレビを楽しめる時代になろうとしています。放送の完全デジタル化後の次世代テレビの主流として、今後内外で急速な普及が想定されています。

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出所 コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料 2012.1.28

スマートテレビの市場拡大において、今後大きなインパクトが予想されるのが、クラウド型動画配信サービスです。自分のPCのハードディスクに保管していた写真、動画、音楽等をネットワーク上のサーバーに蓄積し、マルチデバイスで、いつでもどこでも利用できるようにしたサービスです。Huluは既に2011年9月1日から日本市場にも進出しており、定額料金で見放題のサービスが、拡大傾向にあると予想されます。

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出所 コンテンツ製作・流通の概況と総務省の取組資料 2012.1.28

日本のコンテンツ市場においては、デジタル化が進み、さらには、スマートフォンやタブレット、そしてスマートテレビのように、マルチデバイスで動画をサービスを楽しむことができる時代になりました。放送局の売上高が減少し、ネットの動画配信サービスが成長する中において、ビジネスモデル構造が大きく転換していく分野といえるでしょう。

 

 

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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