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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2011年12月14日

2011年12月15日の投稿

2011年12月16日 »

調査会社のがートナーは、2011年12月14日、2012年以降にIT部門およびユーザーに長期的かつ大きな変化を与える重要な展望『Gartner Predicts 2012を発表しました。

2012年の展望において、クラウドコンピューティング関連では以下の項目をあげています。

2015年までに、低コスト・クラウド・サービスがアウトソーシング大手企業の収益の最大15%まで食い込む

新しいサービス提供モデルによって、今後3~5年でITの価値が見直され、低コスト・クラウド・サービスにより、現在および今後見込まれるアウトソーシングの収益は侵食される。この状況は、格安航空会社が輸送業界にもたらした「価格破壊」の状況に似ているとしています。

今後も、各社が商用サービスとしてのクラウドに投資する傾向は続くと予想され、創造的破壊のモデルが、各事業者の収益構造にどこまで比率を高めていくのか、注目されます。一方で、事業者の投資による設備などの保有リスクも高まり、中長期的な回収見込みと、価格破壊を想定した収益モデルの構造をしっかり描いておくことが重要となるのではないでしょうか。

2016年までに、企業の40%がすべてのタイプのクラウド・サービスの利用に際し、独立した機関によるセキュリティ・テストの結果をクラウド選定条件にする

2011年はサイバー攻撃などのセキュリティ対策が非常に話題となった年でもありました。PCI DSS や SAS70 Type II といったセキュリティの認証取得は、企業のクラウド導入の後押しをすることになるでしょう。さらには、万が一に備えて、導入企業各社が保険の契約などで、リスクを移転するというアプローチも増えてくると考えられます。

2016年末には、Global 1000企業の半数以上が顧客に関する機密データをパブリック・クラウドに格納するようになる

本調査によると、「2011年の時点で既に企業の20%以上が顧客に関する機密データの一部を自社運用型のソリューションとプライベート/パブリック・クラウド・プロバイダーを組み合わせたハイブリッド型の環境へ格納している状況」となっています。

各企業のコスト意識は高まり、自社に顧客データを置くよりもむしろ、クラウド側に預けたほうが安全であるという考え方も主流になっていくのではないかと考えられます。クラウドサービス事業者は顧客に関する機密データを、暗号化や秘密分散など、安全に長期にアーカイブするといった付加的サービスの充実も期待されます。

2015年までに、80%のクラウド・サービスの価格にグローバル燃料サーチャージが含まれるようになる

本調査では、クラウド事業者の大部分が、に燃料サーチャージを採用すると予想しています。利用ユーザ側も燃料費が個別の変動費目含まれるようになることを見越しておく必要があるとしています。

 

以上ががートナーの予測です。

その他にもクラウドコンピューティングの分野では様々な変化が出てくると予想されます。改めて自分なりの予測をまとめてみたいと思います。

 

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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