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政府は2011年6月22日、「第1回 エネルギー・環境会議」を開催し、課題、論点及び検討のスケジュール 、そして当面の検討方針(案)について議論を進めています。

当面の検討方針では以下の方向性を示しています。

1.複眼的アプローチで戦略を構築する
(1)原子力発電に日本の電力供給の過半を依存するとしてきたエネルギー 戦略を大きく見直す一方で、短期的には現実に即した解決策を検討する。
(2)当面のエネルギー需給については、需給動向を客観的に見極め、具体的な対策を講じ、安定成長を確保する。
(3)同時に、省エネルギーと再生可能エネルギーを新たな基幹的な柱とするエネルギー・環境戦略を構築する。成長戦略の要となる新技術体系に 基づく革新的なシステムを目指す。中長期に効果を発揮する施策も早期に具体化し、エネルギー・環境技術への民間投資を喚起する。

2.当面のエネルギー需給安定策を早急に具体化する
(1)エネルギー制約による成長下振れや空洞化懸念を払拭するため、当面のエネルギー需給安定策を年央までにとりまとめ、早期に実行に移す。
(2)当面の電力需給動向をデータに基づき客観的に見極め、ピーク時の電力不足やコスト増に対する実効性ある対策を打ち出す。
(3)対策の柱は、省エネルギーの加速、自家発・天然ガス等の有効活用、 再生可能エネルギーの積極的活用、既存の原子力発電所の安全確保の 徹底といった複数の対応を適切な形で組み合わせる。
(4)対策の内容は、制度改革と支援策強化、社会の意識改革からなる総合的なものとする。持続的に需要の合理化と供給の確保が実現し、需給が 安定する仕組みを構築する。その際には、産業分野の対策と家庭・業務分野等の対策を切り分けて、効果的な対策を講じる。

(例)
―制度改革
・需給に応じた電気料金メニューの多様化
・自家発導入や小売事業への参入促進に向けた電力システム改革
・固定価格買取制度の早期導入 等
―政策支援
・省エネ関連機器やシステムの導入促進
・再生可能エネルギーやコジェネの導入促進 等

3.「革新的エネルギー・環境戦略」策定に向けた論点を整理する
(1)省エネルギーと再生可能エネルギーという新たな二つの柱を基幹的な柱とし、これまでの原子力エネルギー、化石エネルギーという二つの柱に加える。こうした基本的な考え方に基づき、論点を整理し、年央までに「中間的な整理」としてとりまとめる。分散型の新システムを目指す。
(2)6つの重要論点(省エネルギー、再生可能エネルギー、資源・燃料、    原子力、電力システム、エネルギー・環境産業)について、短期・中期・長期ごとに論点整理を行う。
(3)また、①原子力をはじめとしたコストの徹底的な洗い出し及び中長期的な見通し、②再生可能エネルギーをはじめとした技術革新と経済拡大 効果の見極め、③化石燃料をはじめとした環境性能向上の可能性の評価等、新しいベストミックスを検討する上で前提となる検証事項について具体化する。
(4)電力システムについては、情報の透明性確保を促しながら、①電力の 需給安定とコストの低減、②分散型電源の促進と需要の自律的な制御、③原子力リスクの管理といった達成すべき目的をより具体化する。その上で、関係機関の検討状況等を踏まえつつ、発送電分離を含めた電力 システムのあるべき姿に関する論点整理を行う。
(5)原子力のあり方については、関係機関の検討状況等を踏まえつつ、予断なく論点整理を行う。

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4. 原子力のあり方については、現体制の見直しを含めて、上記の論点整理を踏まえ、新たに独立した体制を設けて検討を進める。

ポイントになるのは、「革新的エネルギー・環境戦略」策定です。ステップ1で策定に向けて中間的な整理を実施し、ステップ2の年末目処に基本的な方針の策定、そして、来年には、雇用・市場の拡大やグリーンイノベーションの実現、新しいエネルギーベストミックスの実現という観点から、「革新的エネルギー・環境戦略」を策定するというスケジュールかんとなっています。

image

第一回の会合では、経済産業省「当面のエネルギー需給対策について(原子力の安全対策の実施と再起動) 」、環境省「省エネ・再エネを新たな基幹的な柱に」、農林水産省「再生可能エネルギー導入を促進するための農山漁村のポテンシャルの活用」からそれぞれ、資料が公開されています。

特に興味深いのは環境省の資料です。折をみてご紹介・整理をしたいと思っています。

 

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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