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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2011年6月9日

2011年6月10日の投稿

2011年6月11日 »

総務省は2011年6月8日、「知のデジタルアーカイブに関する研究会(第3回)配付資料」を開催しました。今回のテーマは震災後初の会合であるために、震災後の情報のアーカイブのあり方について各社から資料が公開されています。

各社の提案のポイントをいくつか整理をしてみましょう。

IIJイノベーションインスティテュートの資料「災害とディジタルアーカイブ~クラウドの視点から~」では、デジタルアーカイブにおいてクラウド活用の重要性が提案されています。

国立国会図書館関西館の資料「東日本大震災とデジタルアーカイブを巡って」では、災害からデータを守り、日本国内に社会基盤としてのデジタルデータを長期にわたってアーカイブしていく必要が提案されています。

日本図書館協会の資料「被災地への図書館による情報提供」では、図書館からの被災地に対する資料の送信に関し、早急にガイドラインを作成し公衆通信が可能とされる条件を設定する予定であるとし、ガイドライン作成に取り組んでいくことが明記されています。

アカデミック・リソース・ガイドの資料「震災と継承・防止するための使われるデジタルアーカイブに向けて」では、震災文庫の有用性などが提案されています。

ヤフーの震災プロジェクトの資料「震災の記録を写真でのこす 東日本大震災写真保持プロジェクトについて」では、東日本大震災写真保存プロジェクトの取り組みが紹介されており、6月3日19時時点で、被災エリアの写真を中心に12,733枚の投稿されているとのことです。

そして、政府からは以下のとおり「震災アーカイブプロジェクト(案) 」の概要が示されています。

様々な機関(国立国会図書館、国立公文書館、ヤフー、大学、自治体等)で保存の取組が進められる、震災のデジタル記録・記憶、復旧すべき震災前の記録・記憶を統合的に利用可能とするため、公的ポータルサイトの設置やメタデータに関する技術標準規格、二次利用のルールを策定し、震災に関わる記録・記憶を統合的かつ長期に利用・参照・継承する基盤を構築

総務省が実施した22年度「電子出版環境整備事業」、「デジタルアーカイブ調査研究」において構築された、メタデータ情報基盤、デジタルアーカイブ構築・連携に関するガイドライン等を活用、記録・記憶のアーカイブ化及びメタデータの技術標準規格を早期に策定

image

効果としては、

・震災の記憶・記録を長期に利用できる環境を整備し、次世代へ記憶・記録を継承
・震災の記憶・記録を長期に保存する環境を整備し、今後の震災への対応を含めた記録・記録の活用を推進
・ 震災の記憶・記録を広く利用できる環境を整備し、復興についての発信を支援

があげられています。

今回の震災により、デジタルデータを長期に安全に保存できるニーズが高まったのは間違いありません。今回の震災の情報やデータを後世にどう伝えていくのか、非常に重要なテーマの一つであると感じています。

 

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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