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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2011年2月15日

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これまで地域活性化とソーシャルメディアについて「住民視点」、「自治体視点」、「商店街視点」、そして「政策視点」で整理をしてきました。今回は、「サービス提供事業者」視点で整理をしてみたいと思います。

地域活性化に向けてソーシャルメディアなどのICTツールは充実してきていますが、どのような体制で仕掛け運用し収益をあげていくのか、地域活性化に関する取組みの事業継続性が求められるようになります。その中でソーシャルメディアをどのように採用していくかが、今後重要なテーマとなっていくでしょう。

そこで、地域においてソーシャルの要素を絡めた提供事業者側の取組みについてご紹介してみたいと思います。

まず、海外の記事「ソーシャルコマースと地域ビジネスの新常識(2011.2.7)」から少し引用させていただきます。

いつの世もすばらしい地域ビジネスとは、人と人との関係の力と地域コミュニティーに参加することの重要性を理解している人間を中心に据えたビジネスである。自動車ディーラーが、地元のリトルリーグチームのスポンサーになるのには理由がある。こうした企業がまだわかっていないのは、今すでに地域コミュニティーで行っていることを、どうやってFacebookやウェブの新しい世界に持ち込んだらよいかである。

地域に根付いた企業がどのようにソーシャルを持ち込み、ビジネスモデルとして成立させるかが、大きなポイントとなるでしょう。収益機会を得られ軌道にのるのであれば、ソーシャルメディア(コマース)と地域ビジネスは大きなビジネスチャンスとなる可能性があると考えられます。

国内においてソーシャルメディアと地域ビジネスに関するモデル例を少しあげてみたいと思います。

地域特化型ソーシャルコマース

地域で大きな市場が期待できるのは、地域版ソーシャルコマースです。地域名産物とグルーポンに代表されるようにソーシャルメディアなどでフラッシュマーケティングを展開するというのも一つ考えられます。また、ツイ割というキーワードに代表されるように、ソーシャルメディアを利用して来店したお客様には割引するといったモデルも考えられます。

※例
愛知エリア特化の共同購入型クーポンサイト「Midpon」が2月14日にオープン
日本を元気に!をテーマに日本全国の逸品を発掘する、日本初ソーシャル連動型商品発掘サイト 『日本発掘プロジェクト・ピカイチジャパン』がグランドオープン!!

位置情報サービス

ソーシャルメディアの普及により、自分が今どこにいるかを皆と共有するサービスが注目をされています。これらのサービスは位置情報サービスや位置ゲーなどと呼ばれています。位置情報サービスと連動しや旅行パックを企画している旅行会社もあり、非常に人気商品となっているようです。特に提携店で購入をするとポイントやカードがもらえるといった仕組みは、その場所に行ったという証明にもなり、ソーシャルメディアを使い友人に自慢するなど、クチコミで広げることによって、地域の知名度向上にも寄与できるでしょう。

※例
コロプラ
foursquares
セカイカメラ

スポンサードコミュニティ

協賛企業と提携し、ある商品開発についてソーシャルメディアを使いアイデアを出し合うといってクチコミで広げていくモデルがあげられます。過去成功したモデルもいくつか見られます。また、オフラインの場で協賛企業と連携し、クルマや携帯のイベントなどをハッシュタグやUstreamなどを使い、クチコミで広げていくといったモデルも考えられます。また、バナー広告やアフィリエイト広告など広告掲載で収益をあげるモデルもよくみられます。

サイト作製支援

観光誘致など地域においてソーシャルメディアを使ったサイト構築を支援する事業者もいろいろと出てきています。今後は、Facebookを使った海外向けのファンサイトを構築し、商品の販売や観光誘致などを作製し事業の支援を行うといった取り組みも増えていくでしょう。

※例
地域活性化研究所

政府のモデル事業

総務省や経済産業省などは地域活性化や地域の産業活性化が重要なテーマとなっており、ICTなどを活用したモデル事業は積極的に展開されています。これらの事業に応募し、支援を受けながら検証し、次年度以降事業を本格展開していくといったモデルも考えられます。

※例
地域雇用創造ICT絆プロジェクト(総務省)
ICTふるさと元気事業(総務省)
・「平成22年度地域商業活性化事業(補正予算事業)(集客力向上促進事業・商店街における新事業展開支援事業) 」(経済産業省)

まとめ

地域のITビジネスにおいては、まだ試行錯誤が続いている段階かと思いますが、すでに地域コミュニティーで行っていることが、ソーシャルメディアに本格的に取り込まれるようになれば、様々なビジネスチャンスが生まれると予想されます。この辺は、改めて整理してみたいと考えています。

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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