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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2010年12月16日

2010年12月17日の投稿

2010年12月18日 »

映像新聞の2010年1月の新年号に「情報通信の展望2010」を寄稿させていただき、主に以下の項目をあげさせていただきました。1年近くたって、自分の1年間の振り返りを込めて少し整理してみたいと思います。

◆グローバル時代のICT政策に関するタスクフォースの成果

グローバル時代のICT政策に関するタスクフォース」が昨年10月23日に発足し、4つの部会の構成は、今後の情報通信政策の方向性において重要な役割を担うといった趣旨の内容を書かせていただきました。12月13日開催の政策決定プラットフォームでは、「光の道」構想の基本方針や4G向けの電波オークション実施などの方針を示し、賛否両論はありますが、一定の成果をあげてきたと考えられます。

◆「日本版FCC」

民主党のマニュフェスト「政策集INDEX2009」では、通信と放送の中立性を確保することを目的に「通信・放送委員会(日本版FCC)」の設置検討が進められてきました。米国のFCCや英国のOfcomなどの事例も調査し、当時の原口総務大臣も独立した省を新設することが必要との認識を示していました。総務省は、「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」の最終会合の報告書(12月14日)のとりまとめを公表しましたが、日本版FCCについては、反対論が多く、事実上、検討は終了となっています。

◆電波による新たな市場の形成

昨年の12月12日には、「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」の初会合が開かれ、ホワイトスペース特区での有効活用の実証など、検討が進められてきました。また、「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース 電気通信市場の環境変化への対応検討部会」の「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ(周波数検討 WG)」の報告書(PDF)では、「700M/900MHz帯は、ワイヤレスブロードバンド実現に向けて、100MHz幅を確保すべき」といった最終取りまとめの骨子案が示されていますが、電波オークションの実施については、見送りとなっています。

◆デジタル時代に対応した著作権保護制度

2010年1月1日から「著作権法の一部を改正する法案」が施行されています。最近の動きでは、文化庁長官の諮問機関「文化審議会 著作権分科会」12月13日に開催し、技術的保護手段の見直しなどが審議されています。大筋で方向性は決まり、パブリックコメントを実施後、2011年の通常国会への著作権法改正案提出、2012 年1月の改正著作権法施行を目指しています。

◆動画配信・デジタルサイネージ市場の成長

2010年はテレビのネットワーク化に向けて大きく前進するとし、ホームサイネージやIPTVの双方向性をいかしたコンテンツサービスの充実、そして、ツイッターとの連動といったソーシャルテレビの可能性を書かせていただきました。現在、北米ではGoogle TVやApple TVなどが登場し、一部苦戦が強いられているところもありますが、ネットテレビやスマートテレビといったネットワークと融合したテレビが今後普及していくことが予想されます。

◆スマートフォンの台頭/躍進するモバイルブロードバンド

iPhoneの躍進に見られるように今後スマートフォンが普及し、AppStoreやAndroidMarketなどのコンテンツサービスが充実し、市場が大きく拡大するといった趣旨の内容を書かせていただきました。実際に、各社からAndorodiケータイなど多くのスマートフォンが日本の市場でも登場し、活況を呈しています。特に、東芝富士通やシャープなどから、ワンセグやおサイフケータイ等のこれまでのガラパゴスケータイでしか利用できなかった機能がスマートフォンにも一部搭載されるようになり、来年はスマートフォンの普及が一気に広がる可能性が考えられます。

また、WiMAXやLTEの方向性についても書かせていただきましたが、2011年は特に12月に一部のエリアで提供が開始されるLTEの行方が注目されます。

◆電子書籍市場

電子書籍はキンドルに代表されるように北米など海外で普及が進んでおり、日本市場では携帯市場で既に利用されており、電子書籍リーダ向けの電子書籍ビジネスが立ち上がるのには時間がかかるといった趣旨の内容を書かせていただきました。2010年当初は、各社様子見が多かったものの、年末にかけては、シャープやソニーなど各社から電子書籍リーダが登場し、印刷会社や携帯電話事業者との提携など、積極的な動きが見られるようになり、2011年は電子書籍市場が一気に立ち上がる可能性が考えられます。

◆熾烈なクラウド国際競争

2010年は、クラウドが本格的に普及し、企業が採用をはじめ、政府も霞が関クラウドや自治体クラウドなど本格的な検討が進むといった趣旨の内容。また、米国でのガバメントクラウドの動きや国際競争力強化とアジアのハブ化に向けたデータセンターの国内立地推進の必要性を書かせていただきました。2011年は、クラウドの導入にあたっても適材適所の動きが見られるとともに、新興国でのクラウド採用の動きが見られるようになり、アジア市場までの市場を視野にいれたクラウドサービス展開をする事業者が増えてくることが予想されます。

以上のように、ビジネスの方向感については概ねあっていたものの、情報通信政策については、日本版FCCの事実上の見送りや「光の道」構想など、自分が想定していたものとはやや異なるものもありました。

また、2011年の情報通信政策の展望をまとめてみたいと思っていますが、2011年は政局が不透明で、グローバル化が進む中で、どのような方向に進むのか、非常に予想するのが難しいかなと感じています。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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