『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2010年9月26日

2010年9月27日の投稿

2010年9月28日 »

私自身、現在、iPad、Windows Mobile搭載のスマートフォン「T-01B」、VAIO X、そして通信用にb-Mobileを利用しており、ほぼ環境には満足しています。GmailやEvernote等のクラウド環境を利用すれば、あまりデバイスを気にすることなく、作業をすることができます。モバイルデバイスでは、OS争いの競争が熾烈で、どこのOSが勝者となるか、まだ混沌としています。iOSとWindows Mobileは概ね使えるようになったため、グーグルのAndroidを搭載したモバイルクラウドデバイスの購入を次に考えています(家族の許可を得られるかは別ですが・・)。

現在、最も注目しているのは、サムスンが提供する7型Android 2.2タブレットの「Galaxy Tab」です。

7インチ(1024 x 600 画面)タッチスクリーン、Cortex A8 1GHzプロセッサ搭載し、重量は380グラムはとても魅力的で、ジーンズの後ろポケットにも入るように、非常にモビリティ性の高い端末となっています。OSは、Android 2.2を採用しており、Flash Player 10.1をサポートしています。iPadの場合は、Flash Playerが搭載されておらず、見れないサイトも多々あり、それがストレスに感じることもありました。

さらには、Webカメラ、背面には動画を撮影できる300万画素カメラを備えており、チャットなど、コミュニケーション用の端末としても活用できるでしょう。動画再生機能においては、1080pの解像度でのHD動画再生ができ、iPadの720pでの動画再生機能を上回っています。microSDスロットが搭載されているのもデータのやりとりなどができて便利です。7時間駆動もまずまずでしょう。

サムスンは、TechCrunchの記事によると、来年で一千万台の「Galaxy Tab」を販売することを宣言しており、将来的にはiPadの販売台数を上回る可能性も考えられます。既に、米通信大手4社から今秋にリリースされることが明らかになっており、サムスンの「Galaxy Tab」にかける意気込みが感じられます(関連記事)。

日本では、Gigazineの記事によると、「Wi-Fi Alliance」のページでは、2010年9月15日付けで「Galaxy Tab」と思われる「SC-01C」として認証(PDFファイル)をうけており、NTTドコモからの販売が有力視されています。

少し、「Galaxy Tab」の使い道を考えてみましょう。

日経新聞(9/25)によると、サムスンはNTTドコモが大日本印刷と始める電子書籍の配信サービスと連動して提供する計画をたてているようです。

また、NTTドコモと大日本印刷が8月4日に報道発表した「NTTドコモ 大日本印刷 電子出版ビジネスで提携」によると、

基本合意の主な内容は、

  1. ドコモユーザを核とした利用者層向け電子出版プラットホームの共同構築
  2. 書籍やコミック、雑誌、新聞など10万点を超える電子出版コンテンツの収集・電子化・販売
  3. ドコモの携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、電子書籍専用端末など、様々なデバイスに対応した電子書店サービスの運営
  4. DNPグループであるリアル書店(丸善・ジュンク堂・文教堂)やオンライン書店(「bk1(ビーケーワン)」)と電子書店との連携
  5. 5,600万人のドコモユーザとDNPグループのリアル書店を利用するユーザに向けた新たな読書マーケットの創出
  6. 展開方針
    • 今秋のサービス開始
    • 共同事業会社設立の検討
    • 出版社などコンテンツホルダや、様々な端末メーカーなどへの協力の依頼
    • 海外に向けた配信も想定した新たなビジネス展開の実現

となっています。

つまり、「Galaxy Tab」は10万点を超える電子出版を利用できる環境ができると考えることができます。NTTドコモは電子書籍ビジネスに本格参入するにあたって、携帯事業者に関係なく、電子書籍のサービスを提供する方針を掲げており、「Galaxy Tab」はAndroid OS搭載しているため、Android OSでのスケールメリットをいかした電子書籍サービスをユーザ側に提供していくための土台が整ってきたと言えるでしょう。

サムスンは、9月22日に「Galaxy Tab」のプロモーション動画を公開しています。

外出先等での様々なシーンが紹介されています。この動画を見てしまうと、かなり欲しくなってしまいます。iPadではなかなか難しいところもあった移動時間の中でも気軽に立ち上げて利用することができるできるかもしれません。

その他、Andoroid OSはまだまだ発展途上の段階にはありますが、ビジネスとしては仮想デスクトップやクラウド端末としての利用。教育分野でのデジタル教科書や医療分野での端末など、様々な可能性が考えられます。デジタル教科書端末としては、iPadの活用が議論されていますが、教科書コンテンツを提供する事業者としては、オープン性の高いAndroid OSも視野に入ってくることでしょう。

最後に回線について考えてみたいと思います。

「Galaxy Tab」が仮にNTTドコモから提供されると仮定すれば、通信品質と通信エリアも大きな魅力となるでしょう。iPhoneはつながりつくい場所もあるというのが問題視されていますが、NTTドコモの回線の場合は、これらの問題の多くは解消されると考えられます。

以上のことから、常に持ち運ぶモバイルデバイスとして考える場合は、7インチの大きさの「Galaxy Tab」非常に魅力的で、いろんな活用シーンがイメージできる「モバイルクラウドデバイス」といえるのではないでしょうか。

MASAYUKI HAYASHI

« 2010年9月26日

2010年9月27日の投稿

2010年9月28日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ