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「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)」は、8月9日、第四回企画委員会を開催し、企画委員会の中に、電子行政、医療情報化、ITSタスクフォースを設置し、その調査方針について、公表をしています。今回は電子行政に関するタスクフォースの調査方針について、少し整理をしてみたいと思います。

IT戦略本部は、5月11日、第53回、「新たな情報通信技術戦略(案)」を公表しました。新IT戦略では、「国民本位の電子行政の実現」「地域の絆の再生」「新市場の創出と国際展開」を3つの柱としています。

国民本位の電子行政の実現の目標設定としては、

  • 2020年までに、主要な申請手続や証明書入手を週7日24時間、ワンストップで行うため、2013年までに、コンビニ等の端末を通じて国民の50%以上が利用できるようにする
  • 2013年までに政府で、2020年までに50%以上の自治体で、国民が行政を監視し、自己の情報をコントロールできる
  • 2013年までに、2次利用可能な形で行政情報を公開し、原則すべてインターネットで利用可能とする

そして、主な重点施策(国民本位の電子行政の実現)としては、

  • これまでの情報通信技術投資を総括した上で、実質的権能を有す政府CIOを設置し、行政刷新と連携した行政の効率化を推進
  • 国民ID制度の整備、自己の情報の活用を本人が監視等できる制度等を整備
  • 便益の高い住民票等の行政サービスを週7日24時間、オンライン/オフライン(行政キオスク端末等)でいつでも利用可能
  • 行政が保有する情報を2次利用可能な形で公開して、原則、すべてインターネットで利用可能にするとともに、新事業を創出

となっています。これからの方針を踏まえ、タスクフォースの調査方針が示されているものと思われます。

今回、示されている電子行政に関するタスクフォースにおける調査の方針は以下のとおりです。

1 電子行政推進の基本方針の策定
これまでの情報通信技術投資の教訓を整理し、電子行政推進の基本方針について2010年度中の策定に向けた調査・検討を実施する。また、政府CIO等推進体制の整備や情報システムの構築・刷新について調査・検討を実施する。

政府CIOの設置などの推進体制の整備は、長年かけての課題となっています。米国では、既に政府CIOのクウドラCIOがオープンガバメントなど、積極的な改革を進めており、日本でも対応が急がれるところです。また、情報システムの構築・刷新では、総務省が4月に公表した「政府情報システムの整備の在り方に関する研究会」最終報告書 (2010/4)でも政府共通プラットフォームの構築を目指した、電子行政クラウド(霞が関クラウド)の推進を進めており、政府横断的な情報システムの構築を進めていくためには、各省庁の情報システム状況把握のためのBPRは必要となってくると考えられます。

2 行政サービスのオンライン利用に関する計画の策定
行政サービスのオンライン利用について、費用対効果を検討し、対象サービスの範囲等に係る基準を整理した上で、業務プロセスを徹底的に見直すという考え方の下、オンライン利用に関する計画の2010年度中のとりまとめに向けた調査・検討を実施する。

3 行政ポータルの抜本的改革と行政サービスへのアクセス向上
行政キオスク端末による各種証明書交付等のサービスを拡大するための具体案を検討の
上、2010年度中のロードマップ策定に向けた調査・検討を実施する。

4 国民ID制度の導入と企業コードの導入
社会保障・税の共通番号の検討と整合性を図りつつ、国民ID制度の導入に向け、国民ID制度の利用目的、利用者範囲等を明らかにしたサービス要件の整理を行うとともに、個人情報保護に関する調査・検討を実施する。また、企業コードに関して、付番方法や番号管理方法などの企業コードの在り方について調査・検討を実施する。

5 全国共通の電子行政サービスの実現
全国共通の電子行政サービスの実現に向け、2010年度中に、地方自治体における電子的フォーマットの共通化、バックオフィス連携、業務プロセス改革等を推進する検討体制・業務範囲の検討、制度面・技術面における課題整理等の調査・検討を実施する。

6 行政情報の公開、提供と国民の政策決定への参加等の推進
我が国のオープンガバメントを確立するため、その在り方の調査・検討を実施する。また、行政の保有する情報の洗い出し、活用策等の調査・検討を実施する。

政府が、6月18日に公表をした示す「新成長戦略」では、科学・技術・情報通信立国戦略(~IT立国・日本~)』の成長戦略実行計画(工程表)の工程表が示されていますが、2010年度に実施する事項としては、

国民本位の電子行政の実現に向けて、

  • 行政サービスのオンライン利用計画の策定、サービス拡大のためのロードマップの策定開始
  • 電子行政推進の基本方針の策定
  • 国民ID制度の導入について検討

などがあげられています。

2013年までに実施すべき項目としては、主に

  • 国民の50%以上が行政のオンラインサービスが利用可能
  • 国民ID制度の整備

image

あげられます。電子行政の環境整備は、2013年が一つの節目となるでしょう。電子行政に関するタスクフォースが総務省などの関係省庁と、どのような連携をはかるのか、また、どの程度政治主導が発揮されるのか、今後の数年は電子行政に関して、非常に重要な位置づけとなるため、今後の具体的な展開が注目されるところです。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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