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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2010年5月18日

2010年5月19日の投稿

2010年5月20日 »

新IT戦略(新たな情報通信技術戦略(案))の中で、一番多く掲載されているキーワードは「クラウドコンピューティング」。私自身が数えたところ、キーワード解説も含めて、13回登場しています。それだけ、政府のクラウドコンピューティングへの期待が高いと言えるでしょう。

では、政府がどのようにクラウドコンピューティングを政策の中に位置づけているのか、ポイントを整理してみたいと思います。

新IT戦略では、「国民本位の電子行政の実現」「地域の絆の再生」「新市場の創出と国際展開」を3つの柱としており、「新市場の創出と国際展開」では、クラウドコンピューティングは、市場創出での重要なキーワードとして位置づけています。

新市場の創出と国際展開

○環境・エネルギー、医療・介護、観光・地域活性化等の分野において、クラウドコンピューティング等の新しい情報通信技術の導入や関連する規制の撤廃等を進め、アジア市場の取り込みも視野に入れつつ、2020 年までに約70 兆円の関連新市場を創出する。

○2013 年までに、新世代・光ネットワーク、次世代ワイヤレス、クラウドコンピューティング、次世代コンピュータ、スマートグリッド、ロボット、次世代半導体・ディスプレイ等の革新的デバイス、組込みシステム、三次元映像、音声翻訳、ソフトウェアエンジニアリング等の戦略分野における産学官連携での集中的な研究開発を進め、我が国の情報通信技術企業が主要海外市場における知的財産権及び国際標準の戦略的な獲得、国際展開を可能とする。

「国民本位の電子行政の実現」においても、クラウドコンピューティングは、業務の見直しや共通プラットフォームの構築やシステム連携など、重要なキーワードとして位置づけています。

情報通信技術を活用した行政刷新と見える化【重点施策】

電子行政の推進に際しては、費用対効果が高い領域について集中的に業務の見直し(行政刷新)を行った上で、共通の情報通信技術基盤の整備を行う。クラウドコンピューティング等の活用や企業コードの連携等についても、その一環として行う。

ⅴ)政府の情報システムの統合・集約化      
政府情報システムについて、徹底した業務改革をした上で、費用対効果を踏まえたシステムの構築・刷新を進める。この一環として、クラウドコンピューティング技術を活用した「政府共通プラットフォーム」により、各府省別々に構築・運用している政府情報システムの統合・集約化を進める。また、共通システム開発・運用における行政機

ⅵ)全国共通の電子行政サービスの実現      
地方自治体における電子行政について、利用者の負担軽減、行政効率化の観点から、クラウドコンピューティング技術を活用した情報システムの統合・集約化を進める。また、行政手続に係る電子的フォーマットの全国的な共通化や企業コードに係る政府・地方自治体の行政機関間・官民間の連携、地方自治体相互間における標準仕様を活用したバックオフィス連携と業務プロセスの改革等を推進する。

教育分野においても、文部科学省などを中心に、デジタル教科書の導入や、教職負担の軽減などの目的でクラウドコンピューティングの活用の検討が進められています。

【具体的取組】

文部科学省は、2010 年度中に教育の情報化の基本方針を策定し、その中で情報通信技術の活用が教育の現場にもたらす変革についてのビジョンを示した上で、当該ビジョンを実現するために、児童生徒1人1台の各種情報端末・デジタル機器等を活用したわかりやすい授業、クラウドコンピューティング技術の活用も視野に入れた教職員負担の軽減に資する校務支援システムの普及、デジタル教科書・教材などの教育コンテンツの充実、教員の情報通信技術の活用指導力の向上、学校サポート体制の充実、家庭及び地域における学習支援等、ハード・ソフト・ヒューマンの面から関係府省と連携して、総合的に情報通信技術の活用を推進する。

日本の国際競争力の低下が懸念されていますが、クラウドコンピューティングサービスの国際競争力の向上についても検討が進められています。データ利活用による新産業創出や、データセンターの国内立地推進などがあげられています。

クラウドコンピューティングサービスの競争力確保等【重点施策】

○ 国民利便性向上及びユーザー産業の高次化に資するクラウドコンピューティングサービスの競争力確保のため、データ利活用による新産業創出、データセンターの国内立地の推進、関連技術の標準化等の環境整備を集中的に実施する。

【具体的取組】

次世代クラウドコンピューティング技術の開発、複数のクラウドコンピューティングサービス間における相互接続・運用性の確保、クラウド利用のためのガイドライン等の利用環境の整備、データセンターの立地環境整備等について、関係府省が連携して推進する。特に、高効率なデータセンターの国内立地促進のため、特区制度の創設も視野にコンテナ型データセンターの設置に係る規制の緩和などを2010 年度中に検討する。

新IT戦略と関連しているかと思いますが、総務省は、5月17日、「スマート・クラウド研究会報告書」を公表しました。詳細な解説は省略しますが、ここでポイントとなるのは、5月16日の日経新聞でも掲載されていましたが、今後の推進体制です。

推進体制

利用者視点で幅広い分野においてクラウドサービスの標準モデル化を推進する観点から、国、地方自治体、民間事業者等が参画する「スマートクラウドコンソーシアム(仮称)」を2010年秋を目途に組成し、「スマート・クラウド戦略」の一体的な推進を図る。その際、毎年1回、戦略の進捗状況を取りまとめ、プログレスレポートとして公表するとともに、「スマート・クラウド戦略」の改定を行う。

以上のように、クラウドコンピューティングは、電子行政や教育分野などの利活用、新産業の創出、そして国際競争力など、様々な領域において、重要な技術やサービスとして位置づけられています。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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