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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2010年3月12日の投稿

2010年3月13日 »

先日、ある大企業の若手社員と情報交換をする機会がありました。特にテーマの中心となったのが、社内業務と社外の活動とのバランスについてです。

大手企業の若手社員の場合は、やはり仕事的には、雑用から始めて、与えられるミッションも限られています。おそらく、与えられた仕事をこなすだけで精一杯というケースが多いのはないでしょうか。そのため、どうしても仕事的にモチベーションをあげて維持するということが難しい時も多々あることでしょう。若手社員の3分の1が3年で辞めてしまうというのもうなずけるところです。

また、三十代の社員の場合は、仕事の内容に慣れ、部下もつき、自分の裁量でできる仕事の範囲も増えてきます。一方、社員への評価への優劣もはっきりし、将来の幹部候補生とそうでない社員の色分けがされてくるのも現実ではないかと思われます。会社からなかなか評価をされることなく、ある程度先が見えてきた社員にとっては、閉塞感を感じることもあるかもしれません。

その場合に役立つのが、外部からの信頼と評価の獲得です。

一例として、ソーシャルメディアの活用をあげてみましょう。

私の場合は、オルタナティブブログにて、IT関連に特化し、1,000日以上ブログを書き続けてきました。そのことによって、大きく分けると、

  • 継続することのできる人間であること
  • クラウドや情報通信政策などのICTに関して、ある程度勉強をしてい人間であること

という信頼と評価を社外から得ることができました。

そのことによって、

  • 多くの講演依頼や執筆依頼、そして書籍執筆
  • 多くの人との出会いによる人脈形成(クラウド人脈は大きな財産です)

を実現することができました。私の場合は、普通に社内の業務だけをこなしているだけでは、三十代で多くの講演の機会には恵まることはなかったでしょう。(一生なかったかもしれません。。)

これらの社外の信頼と評価、そして実績によって

  • 社内でクラウド関連や情報通信政策関連の業務につけたこと
  • 社内の認知度が劇的に向上し、他部門の知り合いが格段に増え、仕事がしやすくなったこと

ができるようになりました。

つまり、社外で積み上げた信頼と評価、そして、実績を社内に持ち込むことによって、結果的に社内の信頼と評価の獲得につなげることができたのです。このサイクルがうまく回り始めることによって、社内の仕事も社外の活動もとても充実したものになります。

ソーシャルメディアの活用例はあくまでも一例になりますが、私が尊敬する元上司も、ある社外の団体活動に勢力的に参加をし、人脈を広げ、プレゼンスを向上させ、それらの実績を社内の業務に持ち込み、結果を出し、信頼と評価を高めています。

よく、「社外でも通用する人材になれ」という言葉を聞くことがありますが、そのためには、社外の空気を吸い、そして社外の人と積極的に会うことです。幸いにもブログやツイッターに代表されるようにソーシャルメディアが充実し、社外とつながりを広げることが比較的容易な時代になりました。

必ずしも、皆さんにあてはまるケースではありませんが、是非、社外の信頼と評価の社内への逆輸入というのも選択肢の一つとして、アプローチもしてみてはいかがでしょうか?

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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