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2010年3月10日の投稿

2010年3月11日 »

今週の週刊ダイヤモンド(2010.3.13)の特集「FREE の正体 0円ビジネスの全解剖」は大変読み応えがあります。16万部のベストセラーとなった『FREE』の書籍紹介やビジネスモデルや事例などについて、わかりやすく解説されています。

本雑誌では書かれていませんが、このブログもFREEのモデルに該当するのではないかと考えています。

私は、オルタナティブ・ブログを書き始めてから既に、投稿数は1,000を超えています。昔からよく質問をされたことがあったのですが、本ブログから収益は得ていません。自分自身はフリー(無料)でブログのコンテンツを提供しています。

実際にこれまでの稼動費を考えてみるとどうでしょうか。

1投稿あたりの平均稼動時間は30分から1時間。仮に1時間で、時給が2,000円だとすると、200万円の価値になります。また、ブログのネタ探しをするために、たくさんの本や雑誌などの購入に投資をしています。単純に考えると、1,000以上のブログ投稿は、数百万円以上の報酬をもらってもいいのかもしれません。

しかしながら、オルタナブロガーは「FREE」でブログを投稿しているのです。

週刊ダイヤモンドの記事の中では、注目経済と評判経済について以下のように書かれています。

オンラインの世界では、注目と評判という二つの非貨幣要因が想定可能なものになり、金銭に変わる新しい市場でのメッセージとして浮上する。

また、『FREE』の著者のクリス・アンダーソン氏は、インタビューで以下のとおりコメントしています。

企業や個人によっては、ツイッターやフェイスブックで得た信用や評判を巧みに金銭価値に転換しているからだ。(中略)非貨幣経済の中で得た信用をどうすれば貨幣に交換できるか。それが21世紀の主戦場だと思う

私自身が、ブログを書き続けて得たと感じることは、非貨幣経済での「信用」です。この信用によって、本や雑誌、新聞の執筆や講演依頼などをいただき、さらには、今では社内においても、多くの信頼を得ることができるようになりました。そして、いま、様々な形でビジネスへとつながろうとしています。

まさに、ブログを書き続けることはFREEモデルの事例の一つになるのではないかと思われます。

一方、ツイッターも今後、金銭価値に転換していくモデルが次々と生まれてくるでしょう。ただ、個人(パーソナル)の視点で考えた場合は、ブログのほうが、信用と金銭価値は高いのではないかと感じています。140字文字では、なかなか「信用」を獲得するまでの積み上げ(ストック)をするのは困難だからです。

個人が身近でできる「FREE」のモデルは、ブログかもしれません。もちろんブログでアフィリエイトをして、稼いでいる方も多いかと思いますが、「信用」を得るための注目経済や評判経済を意識したモデルのほうが中長期的にみると、フィードバックは多いのではないかと感じています。

FREEモデルを意識してきたわけではありませんが、これからもFREEでブログによる情報発信をしていきたいと考えています。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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