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昨日(2月11日)の日経新聞の一面の「厳寒就職戦線(上)」によると、就職戦線は厳しく来年はさらに厳しくなり、今の3年生は例年よりも早い就職活動を強いられているとのことです。

また、企業の就職説明会の開催数は減少傾向にあり、説明会の案内開始があってもわずか10分で満席になるなど、就職活動の入り口さえたどり着くのも難しい状況となっています。

少し自分の就職活動の思い出(取り組み)をここで少し紹介したいと思います。

私は1995年(平成7年度)入社です。私が大学1、2年生の頃はバブルのピークで先輩方は比較的簡単に内定をもらっていたように感じましたが、就職活動を始めたころはバブルが崩壊し、地方公立大学出身の私にとってはもろに影響を受け、厳しい就職戦線だったと記憶しています。資料請求をした企業数は数百社、資料が戻ってこない企業もたくさんありました。

面接や説明会に参加した企業も数十社に上りました。自分がどんな業界に向いているのか、わからないまま手当たり次第にまわっていたような気がします。当時志望の上位に入っていたのは、NOVAなどの英会話学校、そしてヤオハンなどのスーパーでした。

当時のNOVAは急速に業績を伸ばしており、ITを活用した授業などの最先端の取り組みをしているという印象があり、学生には人気の企業だったと記憶しています。また、ヤオハンはアジアなどに積極的に進出し、将来の有望な業界だと思っていました。結果ですが、NOVAは小論文で落ち、そしてヤオハンは面接で落ちてしまいました。当時は、第一志望群の企業に内定がもらえず相当ショックだったとことを記憶しています。

その他、金融機関は地方銀行で内々定をもらったものの、軒並み苦戦を強いられました。手当たり次第にあたってみたのですが、自己分析と志望理由と業界研究のあまさが露呈されました。

就職活動の途中で路線変更をしました。1社地方銀行で内定をもらっていたこともあり、志望企業を絞り、戦略的視点をもって活動をしました。まず、自分が受けようとしている企業の過去数カ月の新聞の記事を切り取り、そしてノートの新聞を貼り、重要な部分は赤字で線をひき、感じたことや自分が個別に調べたことをメモで書きました。また、ある証券会社の業界のリサーチデータを入手し、10年後、20年後の業界の将来像を自分なりに整理をしました。

最初の面接では、新聞記事を張ったノートを見せて、自分がこれだけ会社のことを考え、そして勉強をしていることをアピールしました。これが功を奏して、課長面接まで駒をすすめました。

面接では、とかく面接官主導で話が進むのですが、自分なりに意識し、自分が予め準備していたテーマで面接をすすめることができました。まず、最初の志望理由の話しでは、意図的に自分がしっかりと勉強した部分だけあいまいな表現をしました。あえて面接官が質問をしたいと思うような表現することで、面接官はそこに対して厳しめの質問をしてきました。予め答えを入念に準備していたため、「よく勉強しているねえ~」というお言葉をいただくことができました。

就職活動中は、志望理由を考えるのが精一杯で、予想される質問への回答を準備していないケースが多々あるように見受けられます。幸いにも私の場合は、大学時代のESSというサークルで、スピーチにしても、ディベートにしても、いつも予想される質問を考え、それに対する答えを準備していました。この経験が自分にとっては大きな武器となったような気がしています。

最終面接では、最後に面接官から「なにかありませんか?」と質問されたときに、以下のことを言いました。

私がもし、御社に入社させていただくことが決まったとした場合、残りの学生生活を何をしておくべきか、社会人としてアドバイスをください。

面接官は懇切丁寧に説明をしてくれ、私はそれに対して丁寧にお礼をしました。面接中は全く自信がなかったのですが、最後のやりとりで信頼関係を築くことができたのではないかと今でも感じています。

おそらく、今の就職活動とはかなり違うことところもあり、参考にならないところも多々あるかもしれません。ただ、一つ言えることは自分の人間性を正しく伝え、そして業界の将来のこともふまえて真剣に説明出来る姿勢があれば、内定への道が近づくのではないかと思います。

就職活動は、長い人生の中でみればわずかな期間ですが、自分の将来を決める上では大変重要な時期でもあります。参考にならない部分も多いかとは思いますが、私の活動が学生の皆様にとって少しでもヒントになれば幸いです。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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