『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2009年9月3日

2009年9月4日の投稿

2009年9月5日 »

日経コンピュータ(2009.9.2)のClose Upの記事に『グーグルは”異型”のメーカー 個々が違う、10個のポイント』という記事があり、興味深く読ませていただきました。

グーグルが採用している技術やアイデアは、従来のコンピューティングとは大きく異なるとし、その特徴を以下の10にまとめています。( )は比較

       
  • 自前主義(水平分業)
  •    
  • 情報爆発(線形的なデータ量増加)
  •    
  • スケールアウト(スケールアップ)
  •    
  • メニーコア(単体プロセッサの性能向上)
  •    
  • ソフトウエアベースの耐障害性対策(ハードウエアベースの耐障害性対策
  •    
  • 関数型言語(手続き型言語)
  •    
  • エラー忘却型コンピューティング(ACID)
  •    
  • キー・バリュー型データストア(RDBMS)
  •    
  • クエリー処理中心(トランザクション処理中心)
  •    
  • メモリー(ハードディスク)

グーグルの自前主義については、でGFSやMapReduce等のソフトウエアを開発し、サーバー等のネットワーク機器からコンテナ型データセンターそして海底ケーブルまでコンソーシアムを形成して自前で用意しているのです。

そして、2011年には1800エクサバイトに達するといわれる情報大爆発への対応、安価なPCサーバを大量に配置するスケールアウトへの対応も強化しています。

また、数十のプロセサコアを集約したプロセサの登場を睨んだWSC(ウエアハウス・スケール・コンピューティング)の概念を推進することによって、サーバー数十台入るラックが、今のデータセンターに匹敵するプロセサを内包するようになるとしています。

グーグルは、ハードウエアによる耐障害性対策を採用せず、ソフトウエア耐障害性対策に注力しています。グーグルの「The DataCenter as a Computer」の主張に基づき、複雑化するソフトウエアを自社開発でカバーすることによって、低価格のハードウエアの利用やハードウエアの利用率向上、そして運用の効率化を図っています。

その他の特徴については省略しますが、グーグル自身が自前でコンピューティング技術を劇的に進化させ、そして、次の世代においても覇権を握ろうとしています。日経コンピュータの特集「Google」も読み応えがあります。改めてGoogleの強さを感じたところです。

MASAYUKI HAYASHI

« 2009年9月3日

2009年9月4日の投稿

2009年9月5日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ