『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2009年6月16日

2009年6月17日の投稿

2009年6月18日 »

クラウドコンピューティングに関する著書を上梓してから、社内外様々な形で問い合わせをいただくようになりました。問い合わせいただく内容は市場(技術)動向、ビジネスへの活用、お客様への提案、講演依頼など、多岐にわたっています。   

クラウドコンピューティングの定義は人それぞれの考え方が異なるため、お話をいただく内容も想定外のことも多く、もちろん自分が得意としない領域について質問されることも少なくはありません。また、クラウドについては、多くの方々が各々勉強されているため、要求されるレベルも高くなってきています。そして、何よりもクラウドのトレンドが早く、最近になっては海外勢だけでなく、日本国内のIT企業においてもクラウドに関する戦略を出し、そして政府も「霞が関クラウド」等の検討を進めており、ウォッチしていく範囲についても広がりを見せています。   

そのため、クラウドコンピューティングに関する質問をされるたびに自らのスキルを高めなければならないと気づかされることが度々あります。クラウドコンピューティングについて最近自分なりに勉強していきたいと考えていることは以下のとおりです。   

国内のIT企業のクラウドへの対応について
これまでGoogleやSalesforce、そしてMicrosoft等の海外勢のクラウド戦略が明確であり、市場のイニシアティブを取ってきていますが、最近になってNECや富士通、そして日本ユニシスなどがクラウド戦略掲げ数値目標も一部設定してきています。今後日本国内での広がりを考えた場合、日本のIT企業の動向がクラウドの普及において大きく左右するのではないかと感じています。   

政府のクラウドの展開について
これまでもブログで何度か取り上げてきていますが、「霞が関クラウド」、「自治体クラウド」、そして「セキュアクラウドネットワーキング技術」等、様々な検討を始めています。電子行政の今後の流れを大きく左右することが予想されますので、引き続き注視していきたいと考えています。   

標準化や団体の動向について
クラウドの普及が進むにつれて、国内外の標準化の動きやルール作りなど、団体が様々な取組みを始めています。現時点では、混沌としている印象を持っていますが、いずれ標準化の一気に動きが加速化していくことが期待されます。   

グリーンデータセンターについて
クラウドビジネスはデータセンタービジネスであるとコメントされる方も多く、データセンターの今後のビジネス動向に注目しています。Googleや Microsoft等は世界に巨大なデータセンターを建設し、規模の経済(スケールメリット)を活かしていますが、国内のデータセンタービジネスがどのような展開していくのか動向をウォッチしていきたいと思います。   

クラウド関連技術について
仮想化や分散処理技術等クラウドコンピューティングを考える上で、必要不可欠な技術があります。さらに、ネットワーク技術まで広げ、技術的なスキルを高めていきたいと考えています。   

クラウド基盤について
クラウドコンピューティングはSaaSよりもPaaS等のクラウド基盤が大きくビジネスを左右すると考えています。PaaS等のクラウド基盤といえば、 SalesforceのForce.comやGoogleのGoogle App Engineだけでなく、国内のクラウド基盤の覇権争いにも注目しています。   

以上メモベースであげてみましたが、まだまだテーマはあるかと思っています。クラウドコンピューティングをきっかけに、今まであまり踏み込むことのなかった領域にもあえて勉強をしてみたいと考えています。                        

MASAYUKI HAYASHI

« 2009年6月16日

2009年6月17日の投稿

2009年6月18日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ