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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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IT戦略本部が4月9 日に「デジタル新時代に向けた新たな戦略~三か年緊急プラン~」において、開発・運用コストの削減や業務の共通化を図るため、「霞が関クラウド(仮称)」を構築することを重点プロジェクトの一つに位置づけています。

本戦略を踏まえ、6月3日に「政府情報システムの整備の在り方に関する研究会(第1回)」を開催し、政府の情報システムの統合・集約化、そしてデータ連携の基盤となる共通プラットフォームの整備の課題や方向性等についての検討が始まっています。

第1回の事務局からの配布資料では、研究会のスコープが示され、政府のシステムの現状と課題においては、「ハードウエア等のリソースの無駄が発生」、「進まない情報の利活用・共有」、「各アプリケーションごとに異なる業務フロー」があげられています。これからの課題を解決していくためには、全体最適化に向けたさらなる取組みが必要であるとしています。本検討会で「政府共通プラットフォーム」の位置づけや役割等について整理し、7月下旬を目途に「政府情報システムのグランドデザイン(中間とりまとめ)」を公表することを予定しています。そして、平成22年の1月を目途に「報告書」を公表する予定となっています。

本研究会の中で議論の中心として位置づけているのは、「政府共通プラットフォーム」における統合・集約化の対象とする政府情報システムの範囲、業務の共通化や情報の利活用・共用の方向性、プラットフォームが提供する共通機能等を含む、政府共通プラットフォームの整備の課題、方向性を整理していくとしています。

image

(出所 総務省 政府情報システムの整備の在り方に関する研究会(第1回) 2009.6.3)

整備に向けて検討を要する課題としては、

  • プラットフォームとして整備するレイヤーの範囲
  • 統合・集約化する政府情報システムの範囲
  • データ連携、情報の利活用・共用の方法
  • 標準化して提供する共通機能
  • 情報を利活用・共用等する際の法制上の課題

があげられています。

本研究会の別紙には、情報システムの関係予算として、調査研究や仕様書作成等のシステム整備に関する経費(約1,626億円)、ハードウエア賃料等のその他運用に関する経費(約4,668億円)等、合計で約6,294億円が計上されています。将来的には、共通プラットフォームの構築によって2割~3割程度コストを削減し、業務の効率化を実現することを目指しているようです。

政府は2015年までに「霞が関クラウド」の構築の実現を目指すとしていますが、2015年までにどのようなステップで検討が進み、構築へと移っていくのか、注目される取組みではないかと考えています。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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