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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2009年6月3日の投稿

2009年6月4日 »

NTTドコモからAndroidケータイの「HT-03A」が6月~7月に発売される予定です。iモードやワンセグが利用できない等、日本独特の携帯文化に慣れ親しんできたため、Androidケータイを利用するというのは、少々勇気がいることなのかもしれません。

市場調査会社米Strategy Analytics社は、Androidを使用するスマートホンの出荷は、2009年に900%増加するという調査結果を出しています(関連記事)。 また、人気投票では「iPhone」の人気が高いものの、Androidケータイが市場の主導的地位を獲得するようになると答えているのが30%にものぼっており、今後、Androidケータイの増加と主導権への期待が大きいことから、2009年度は、Androidケータイが大きく普及する時期になる ことが予想されます。

しかしながら、先述したように、日本でどこまでAndroidケータイが普及するかというのは未知数です。 AndroidのOS上でiモードのアプリケーション等が動作するようになれば、市場は一気にブレークする可能性はありますが、しばらくは、 Androidに関心が高いユーザのみの導入にとどまってしまう可能性は十分に考えられます。

私自身はまだまだ検討段階ですが、仮に 「HT-03A」を購入した場合に、利用用途して考えているのは、GmailやGoogleカレンダーやGoogleマップ、そしてGoogleドキュメ ントなどのGoogleのアプリケーションはこれまで以上に積極的に利用していくことになるでしょう。これまでの携帯電話でもある程度はGoogleアプリケーションを利用できるため、Androidケータイであるがゆえの圧倒的な有利ということにはならないでしょう。

Androidケー タイで魅力を感じるのは、Androidマーケットで世界中のアプリケーションができるという将来性に魅力を感じるのも多いでしょう。ThinkFree は5月29日、Androidケータイ向けのオフィススイート「ThinkFree Mobile for Android」を発表しているように、今後も魅力的なアプリケーションが展開されることが期待されます。

以上のように、Android ケータイを現時点で購入することは、現時点でそれほど、先行メリットがあるようにはあまり感じられないのではないでしょうか。むしろ、これまでガラパゴスケータイで慣れ親しんできたものを捨てるというデメリットのほうが大きいのが現状ではないかと思います。

今後日本のメーカーからも AndroidのOSを搭載した携帯端末が市場に投入することが予想されます。Androidを搭載した携帯端末を投入すれば、マーケットは世界となるの で、端末の販売減少で苦戦している日本のメーカーにとっては、世界市場に参戦するというメリットは大きいのではないでしょうか。これまで液晶ディスプレイ を始め、多くの家電において世界ブランドを確立してきた経験とノウハウを生かすことができれば、ガラパゴスが一つのデファクトスタンダードになる可能性も 考えられるでしょう。

Androidケータイで何をしたいのか、将来何ができるのか、何が我慢できるのか、将来のスタンダードになるか、など整理しながら考え、Androidケータイを購入を検討していくとよいのではないでしょうか。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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