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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2009年4月6日

2009年4月7日の投稿

2009年4月8日 »

前回、AppleのSWOT分析を紹介しましたが、今回はGoogleのSWOT分析を紹介したいと思います。

googleswot

Strength(強み)は、 Brand equity(資産価値)が高く、Internet search leaderとあるように、インターネットの検索分野においてリーダシップをとっており、Strong Market positionというように、圧倒的なマーケットへの存在感でYahoo!やMS等を引き離している状況です。また、AdWords and AdSense programsとあるように広告分野でも圧倒的に優位に立ち、Ancillary services (Youtube, Gmail, etc)とあるように、YoutubeやGmailにおいても利用ユーザを拡大させています。Strong presence in professional networking spaceにもるように、今後もネットワークの分野において、圧倒的な存在感が続いていくことが予想されます。   

Opportunity(機会)においては、Increasing worldwide online ad spendingにもあるように、世界的に広がるインターネット利用が拡大するため、まだまだ市場の開拓の余地はあるでしょう。また、New acquisitionsというように新たな大型買収で事業をさらに拡大していくことも予想されます。   

一方でWeakness(弱み)はどうでしょうか。Inability to monetize Youtubeとあるように、Youtubeのビジネスは採算面でまだまだ時間を要すことになるでしょう。Weak presence in social networking spaceにもあるように、facebookやmyspace等、SNSの分野においてはGoogleの存在感は薄いように見受けられます。Lack of product integrationにもあるように、多くの企業を買収した影響があるのかもしれませんが、まだまだGoogleのサービスが統合されていない部分も少なくはないのでしょうか。   

最後にThreats(脅威)あげてみましょう。Competition from Microsoft, Yahoo, smaller competitorsとあるように、マイクロソフトやyahoo等、もGoogleの事業分野に参入してきており、競争環境はこれからさらに厳しくなることでしょう。また、Reliance on Google network membersにもあるように、特に企業ユーザにとっては、Gmailの大規模故障といった事例があったように、Googleのサービスへの信頼度はまだこれからといったところでしょう。そして、Privacy issues around content ownershipにもあるように、Googleに個人情報をはじめ、様々な情報を預けてしまうことに対する不安も多くなってくことが考えられます。 Slowdown in online ad-spendにおいては、昨今の経済危機により、広告収入の頭打ちとなっています。   

Googleはまだまだ将来性豊かな企業ですが、競争環境や広告収入に依存するビジネスモデルが続くようでは、数年後も安泰であるという保証はありません。   

なかなかSWOT分析をするという機会は少ないのですが、このような既に掲載されているSWOT分析を自分なりに読み解いていくと、新しい発見があっておもしろいのではないかと思います。    

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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