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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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Amazonからの申し込みのお礼とお詫び」でご案内させていただきましたが、21日の発売日から今日(27日)の午前中まで「2~5週間以内に発送します」というコメントが掲載され、「在庫なし」の状態が続いておりました。関係者の皆様にご対応いただき、27日12:20にて「在庫あり」に変わりました。本書をご希望される皆様及び関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

「クラウド・ビジネス」入門 -世界を変える情報革命

MASAYUKI HAYASHI

クラウドコンピューティングの普及に伴い、グーグルやマイクロソフト等は人件費や電力費の安い地域へのデータセンターを建設しています。またアイルランドなど消費電力を抑える寒冷地等も人気が高いようです。

日本においては、これまで首都圏のデータセンターの利用がこれまで多かったのですが、懸念されるのは、日本の企業のデータが海外のクラウドに流れてしまうといった「企業情報の空洞化」です。 

政府も外資系企業の巨大なデータセンター建設によるスケールメリット(規模の経済)を働かせる動きは、非常に脅威に映っているのではないでしょうか。

日本政府の動きをここでご紹介したいと思います。 

総務省とASPICは、2月26日、「ASP・SaaS データセンター促進協議会 」の設立を公表しました。クラウドコンピューティングの出現等ネットワーク環境の変化を踏まえた新たな国際戦略等について、検討を行う予定となっています。

具体的な活動テーマとして、  

クラウドコンピューティングにおいては、   
①ネットワーク対応(IX、NGN、IPv6対応)   
②プラットフォーム対応   
③ASP・SaaS対応   
④技術連携、導入推進   
⑤クラウドコンピューティング利用ガイドの検討   
等を検討していいくようです。

成果物として、「クラウドコンピューティング利用ガイド」を出すということですので、国内にあるデータセンターを活用したクラウドコンピューティングの利用について方向性を示していくると思われます。 

また、経済産業省では、2008年12月4日、日本のデータセンター事業の国際競争力を向上することを目的として、産学官の関係者が協力する「日本データセンター協会 」の設立総会を開催したことを発表しています。 この協会のページを読むと、「グリーン・クラウドコンピューティング」というキーワードが頻繁に出てきています。 東京都環境保護条例対応WGなど、環境を意識したデータセンターのあり方についても議論が始まっています。

また、2月4日には、産学官研究組織「クリーンエネルギーデータセンター(CEDC)研究会」が立ち上がっています(関連記事 )。北海道の寒冷地特性に省電力のデータセンターのあり方を研究する「北海道グリーンエナジーデータセンター(GEDC)研究会」もメンバーに含まれており、北海道を中心とした、環境に優しいデータセンターのあり方について議論が本格化していくものと思われます。 

同様に日本の企業も日立や富士通などデータセンターの建設に力をいれています。

この先、日本国内にあるデータセンターがどのように展開し、海外の規模の経済を生かした巨大なデータセンターとどのように対抗をしていくためにどのようなシナリオを描き、対応をしていくのか、その動向は要注目です。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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