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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2009年2月11日 »

クラウドコンピューティングの普及や不景気への対応などでIT投資の凍結などで、ITを保有することから使用するという流れが進みつつあります。その代表的なサービスの一つにGoogle Apps(グーグルアップス)があげられます。

Google Appsは、企業向けにGooogle Apps Premier Editionの有料サービスを提供しており、GmailやGoogleドキュメントやGoogleaカレンダー等の機能を使え、99.9%のSLAや APIなどを提供しており、企業への利用も普及が進みつつあります。  

では、実際にどのような企業がGoogle Appsを利用しているのでしょうか?今後の利用予定も含め、いくつかの企業をリストアップしてみましょう。

JTB 

JTB は、マイクロソフトのExhangeサーバーの更改時にGmailを採用することを決めています。マイクロソフトのExhangeサーバーの更改時は5年間の運用において20億円程度かかりますが、Google Appsにすると、半分以下の費用で済み、かつ一人あたり25Gの容量を利用することができるのです。

ユニ・チャーム  

ユニ・チャームはグローバルへの展開や運用負担を軽減するために、Gmailへ移行しています。シングルサインオンの機能を実装し、独自のアドレス機能も設けています。Google Appsのアカウント数は3500です。

富士ソフト   

国内最大の導入事例で導入規模は、約1万人規模で4月からGoogle Appsの導入を予定しています。これまで複数の電子メールやスケジュールの利用していたのと比べて、5年間で3分の1のコストで済むということです。富士ソフトは、Google Appsの販売代理店もしており、日本国内においては富士ソフトが最もGoogle Appsに熱心な企業といえるかもしれません。

東急ハンズ  

昨年12月からGoogle Appsに移行しているようです。電子メールの運用稼動の削減や、各店舗でモバイルを運用、そして、動画の共有など様々な試みをしようとしています。Google Appsの導入規模は約3000名です。

コープさっぽろ  

かなり初期段階から採用しており、会員向けのツールとして利用しています。

松竹   

Gmailメールを中心に利用しています。特にどこからでもアクセスし、利用できる点は重宝しているようです。

オールアバウト   

現在、社内の260アカウントで利用していますが、将来は、外部委託先とのコミュニケーションツールとしても視野にいれているようです。コストも2分1まで削減することができたようです。

その他の事例としては、サキコーポレーション、チャイナ・コンシェルジュ、伊藤病院などがあげられます。  

Google Appsの導入において共通している点は、   
・既存のメールサーバからの移行により2分の1から3分の1程度のコストが低減できた   
・メールサーバーの運用保守から開放された   
・コミュニケーションやコラボレーションの範囲が広がった   
・どこからでもメールの内容等が確認できるようになった

等があげられています。  

金融危機などの影響により、企業におけるコスト削減の波は今後もさらに続くものと見られています。コスト削減や運用保守稼動を減らすため、Google Appsを採用していく企業は今後増えていくかもしれません。


MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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