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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2008年11月23日 »

NTTに続いて講演を聴いたのはNECです。講演のタイトルは、「NGNサービスを担うネットワークサービスの展開」です。講演される方の肩書きが「NGNエバンジェリスト」と書かれているのは少々びっくりしました。

NECが講演の中で強調されているのは、NGNのITサービス基盤となるSDP(Service Delivery Network)を中心に話をされています。SDP上にOpen APIを公開し、サービス事業者が自らサービスを創出している仕組みを実現しようとしています。  

NECは、「NGNミドルウエアパートナープログラム」を発足しています。このプログラムの趣旨は、ネットワーク技術への対応、及び、サービスの普及・拡大に向け、SIP技術への実績と技術・ノウハウが豊富なNECが主要ITベンダ各社と組んで発足したものです。現在、日本IBM、EMCジャパン、日本オラクル、サンマイクロシステムズ、ノベル、日本HP、マイクロソフト等とパートナーを組んでいます。企業名を見ると日本企業が1社もなくすべて外資系のIT企業となっています。クラウドコンピューティングの戦略を掲げているユーザがほとんどです。

NECは、SDP上のアプリケーションの展開を非常にに重要視しています。そのためNGN-API仕様の充実、NGNミドルウエアの充実、NGN対応アプリケーションの創出、NGN市場の拡大・サービスメニューの充実をNGNパートナーとの強化によって展開しようとしています。  

次世代サービスインターフェイスをNGSI(Next Generation Service Interface)と呼び、様々なネットワークにまたがるシームレスなサービス開発を促進するAPI仕様を策定していくとしています。NGN-APIという考え方です。「キャリアSDP」、「xSP内SDP」、「企業内SDP」といった区分けをしていますが、NGSIは、これらのSDPとNGNアプリケーションをつなぐインターフェイスになります。この辺のコンセプトはクラウドコンピューティングにおけるPaaS(Platform as a Serivice)の概念に非常に似ているような気がしています。

NECは、「NGNミドルウエアパートナープログラム」の取り組みにより、NGSI提供ミドルウエアを充実させていくことを目指しています。  

話が少し難しくなったような気がしますが、ポイントになるのは、NGNの市場が活性化していくためには、NGNアプリ活用ビジネスが活性化していくことが重要となります。そのためにはNGNのサービスインフラ側の機能の充実もさることながら、プラットフォーム、ミドルウエア、そしてアプリケーションの充実が重要になってくるでしょう。

クラウドコンピューティングの普及により、インターネット上のSaaSやPaaSはかなり充実してきていますが、残念ながらNGN上のPaaSと同等のSDPやアプリケーションの充実は、まだこれからという段階です。  

そういった意味でNGNのパートナリングの取り組みは、今後のNGNの市場の活性化において重要な位置づけになるのではないかと考えています。


以上メモと感想を終わります。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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