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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年11月12日

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2008年11月14日 »

11月12日、Google主催の企業向けソリューションを紹介する「Google Enterprise Day 2008 Tokyo」に会社の休みを取って1日参加してきました。

NEC_0298

あまり大々的にPRされていなかったような気がしますが、かなり多くの人が参加されていました。

エンタープライズ部門担当社長 Dave Girouard (デイブ ジロード)氏の基調講演は、数百人の参加者で満席の状況でした。その内容のメモを共有します。(ただのメモなのでまとまりはありません。) 

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ジロード氏は、日本を重要な市場として位置づけ、今後、日本にも様々な投資を行い、日本固有のサービスの開発も進めていくと発言しています。また、「クラウドコンピューティング」を意識的に多用しています。 

グーグルエンタープライズがスタートしたのは、歴史も浅く5年前から始まり、現在、600人以上のスタッフと1000人以上のエンジニアがエンタープライズの業務に携わっているようです。

まず、Google Search Applianceの紹介をし、その後、Google Earthなどが使えるGEO、そして最後に目玉として位置づけるGoogle Appsの紹介しています。 

また、クラウドコンピューティングの重要性や位置づけを述べられ、企業におけるGoogle Appsの導入事例を紹介しています。サンフランシスコに本社を置くジャネンティック社(?)がマイクロソフトのオフィスから100%Google Appsに移行した最大規模のマイグレーションのようです。

そして、「クラウド・アドバンテージ」という言葉を使い、クラウドはイノベーションそのものと位置づけています。この20年、消費者はレガシーの技術に慣れ親しんできたが、近年消費者が使うテクノロジーが飛躍的に向上し、企業よりも進化した環境を手に入れている点を強調しています。 

この優れた消費者が利用する技術を企業のワークプレイスにもっていくことの重要性を述べています。

ポイントのところでクラウドコンピューティングの話をされるのですが、ここでは、クラウドのスピードやOSやバージョン気にすることなく最新の機能を使えることを強調しています。Google Appsでは現在60の機能を提供し、ユーザが混乱せずユニークなテクノロジーを今後も提供していくとしています。 

次にGoogleのストレージの展開の話をしています。最初にビジネスを始めたときは、大学のサーバースペースを利用していたが、2006年にはじめてグーグルのデータセンターを建設し、自社によるデータセンターの重要性を認識し、世界各地にデータセンターを建設していくことになったと述べています。

グーグルのデータセンターではYouTubeやPicasaの写真等様々なデータを蓄積し、今後もデータは飛躍的に増えていくとしています。 

Gmailユーザは増え続け、無料でも広告料等で十分な収益が発生しており、ユーザが増えるにつれて収益が拡大傾向にあるとしています。

グーグルのデータセンターの運用については、エネルギーが需要になっており、ローコストで運用し、再利用可能なエネルギーの活用をしているようです。 

ここで、再度クラウドの話をしていますが、「グーグル・クラウド」という言葉を使っています。グーグルのクラウドサービスは、Notes等のソフトウエアインストール型と比較して、5倍信頼性が高いとしています(第三者の評価期間のデータを引用しています)。信頼性は、発展途上なのでこれからがんばるとしています。

そしてセールスフォースのサービスとの連携を重要な取り組みとして紹介しています。 

セキュリティについても重要なポイントとしています。グーグルのサービスはセキュリティが高いとしながらもパーフェクトではないとしています。しかしながら、自社で構築するシステムよりは信頼性があるとしています。自社で構築した場合は、パソコンの盗難や紛失、メールの添付間違い、USBの盗難等のリスクが高い点を指摘しています。

また、データセンターの保護については、データセンターをLinuxカーネルを利用し、シンプル化は標準化をすすめ、個人情報や金融情報ををしっかりと保護しているとしています。その証明として世界で最も高いセキュリティ基準の「SAS 70 TypeⅡ」の認定を受けている点を強調しています。 

Google Choromeの件もとりあげています。これまでのWebブラウザは昔のインターネットをベースに考えてつくられたものであり、Google ChoromeはオープンソースでV8のJavaスクリプトを採用している点をあげています。一つのタブがクラッシュしても大丈夫等の安定性についても述べています。Webアプリケーションをアイコンのように使えることのメリットも述べていました。

Google Choromeのブラウザのシェアを確保していくことは要求せず、インターネット全体のことを考えていくとしています。 

Androidについてもとりあげています。モバイルをよりオープンにし、開発者への環境を提供するとしています。Androidは大成功をおさめているとの認識を示しています。モバイルにといては、今後の成長が見込めるとし、日本は進化している一方、アメリカはまだ遅れている点を認めています。

Goole App Engineも紹介しています。Googleプラットフォーム上で他のソフトウエアをつくっていきたいと述べています。システムをオープンにし、外部の開発者がインフラや認証、冗長性等を心配せずに、開発に専念できる環境を提供していくとしています。 

これまでクラウドコンピューティングの利点を強調してきていますが、企業内のシステムもなくなることはないとしています。

この10年のイノベーションはクラウドが舞台となるとし、クラウドの中で競争環境が生まれ、多様化するマーケットになるとしています。 

若い世代のこともとりあげています。若い世代は、クラウドのテクノロジーに対する期待が他の世代と違うとし、若い世代にアピールが重要だとしています。

クラウドサービスは第三者が提供するサービスであり、信頼を獲得することが重要だと述べています。長い間の時間をかけて信頼を確保することでグーグルは伸びていくと締めくくっています。 

以上 基調講演のメモでした。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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