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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年10月24日

2008年10月25日の投稿

2008年10月26日 »

IT Leadersの10月号(創刊号)のCIO INSIGHTのページに、『「クラウド」を無視し続けることこそが経営の最大のリスクとなる』(Cloud Computing: Anything as a Service By Tony Kontzer)というタイトルの記事を興味深く読ませていただきました。

クラウドコンピューティング導入の温度差の根源は、クラウドはまだ重要な場面に耐えられない考え「自前のインフラにこだわる」CIOの思いがあるからだとしています。一方クラウドコンピューティングの導入事例を紹介し、クラウドを利用したことによって、スタッフが技術者という枠を超えて、事業家という観点で何ができるかを考え始めたことが、大きな収穫だったという点も述べられています。   

また、クラウドコンピューティングに踏み込む前に考えるべき主要な項目として以下の点を整理しています。

CEO(最高責任者)への質問   

・自社は新しい形式の情報システムに移行するリスクを受け入れることができるか?

R&Dチームへの質問   

・挑戦的なプロジェクトに取り組んだことはあるか?

CSO(最高セキュリティ責任者)への質問   

・「クラウド」にデータを委ねる際、最大のセキュリティ事項は何か?

ベンダー候補への質問   

・データはどのように保護しているか?   
・パフォーマンスと可用性を保証するSLA(サービスレベルアグリーメント)はあるか?

自社のスタッフ、そして自分自身への質問   

・クラウドコンピューティングによるリスクを正当化するメリットがあるか?   
・クラウドの適正な利用のため制限を強制することは可能か?

クラウドコンピューティングの導入に踏み切るためには、様々な面を考慮する必要がありますが、この主要な項目を見ると、データを預けることのセキュリティリスクに対する各組織の考え方を整理する必要があるとしています。   

最後に、   

クラウドは十分なセキュリティと信頼性に欠けていると認識している多くのCIOに対してボリール氏はこう指摘する。腹をくくりなさい。クラウドは脅威ではなく、もっと多くのチャンスを与えてくれる。そのチャンスをあまりに長く無視し続けることこそがあなたにとって脅威となるのだ。

と締めくくっています。

クラウドを無視し続けることが経営の最大のリスクとなっていくのか。今後の市場がどう変化し、どう企業が対応をしていくのか大変興味深いところです。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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