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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年10月15日

2008年10月16日の投稿

2008年10月17日 »

NHKのクローズアップ現代(10月15日放送)で「新情報革命“クラウド”の衝撃」が放送されました。

今回の放送された内容のポイントを整理すると以下のようになるかと思います。

 

引用開始==========================

クラウドコンピューティングの登場により、すべてがインターネット上のコンピューターで処理を行うことができるようになった。そのため、パソコンにインストールするソフトウエアはいらない。企業の経営や人々の働き方を大きく変えることになった。そしてIT業界自体が大きく変わろうとしている。そしてクラウドは世界中に広まっている。 

特に中小企業のとってはIT投資をする資金力がなかったが、会社の規模に関わらず、安くスーパーコンピューティング並みのシステムを手に入れられるようになった。

セールスフォース・ドットコムが提供する顧客管理を中心とした営業支援ツール(CRM:Customer Rerationship Management)の事例を紹介。 

セールスフォース・ドットコムのサービスを利用するユーザは、4万8000社、年率5割で成長している。1日に世界中から送られてくる1億5000万のアクセスを処理している。

まず、日本の大手メーカーのキヤノンマーケティングの事例。 

費用は6分の1に抑えることができた。多岐に分散していた部署間の情報をクラウドで共有できるようになった。

そして、中小企業のツルガの事例。 

社員10名の商社でクラウド(セールスフォース・ドットコムの営業支援ツール)を利用することによって、2割の成長を遂げている。営業の活動状況を可視化できるようになり、これまで一人でお客様を担当し、勘に頼っていた営業スタイルから営業からお客様サポートまで分業することによって、お客様に優先順位をつけ効率的にお客様対応ができるようになった。そして、活動内容を把握できるため人事評価にも活用するようになった。

マイクロソフトもクラウドの流れを無視できなくなり、バルマー氏はクラウドを収益の柱にしていくと発表。 マイクロソフトは世界各地にデータセンターを建設。クラウドによるビジネス領域を一気に拡大しようとしている。

セールスフォース・ドットコムとグーグルが提携し、クラウドの領域をさらに拡大しようとしている。 


新たな課題が見え始めた。

クラウドは情報が集中するので、ハッカーからの標的となる。顧客流出の事例も出ている。 

経営の方針から人事情報等をすべてクラウドにあずけてしまうことは、いくらセキュリティを高めても、他人に移ってしまうことであり、不安感はぬぐえない

日本企業が苦戦している。ハードウエアベンダーが多いため、なかなかクラウドの領域に参入できない。ベンチャー企業も投資がないのでなかなか育たない。すべての情報がアメリカに行ってしまう。 

引用終わり==========================

 

という感じです。

今回、まず最初に驚いたのは、NHKがクラウドに関する内容を、夜の7:30のクローズアップ現代で放送したことです。まだ、IT業界+一部の興味のある人の間のみで知られるキーワードだと認識していましたが、今回の放送により一般の方々にも認知されるキーワードとなっていくのではないでしょうか。 

ただ、今回放送した内容はセールスフォース・ドットコムのサービスの事例が中心で、クラウドの内容を十分に説明できたかというと、十分な時間ではなかったような気がします。

いずれにしてもNHKが放送したことの影響は大きいはずで、クラウドは「技術論」よりも「クラウドというサービスがもたらす企業経営や働き方の変化」に関する議論が中心になっていくのではないかと感じているところです。


MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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