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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年9月28日

2008年9月29日の投稿

2008年9月30日 »

「クラウドコンピューティング」という言葉が注目されるようになったのは、米グーグルCEO(最高経営責任者)のエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏が2006年8月9日、米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催された「検索エンジン戦略会議」(Search Engine Strategies Conference)の講演で「クラウドコンピューティング」という言葉を使ってからと言われています。

その講演の中で「クラウドコンピューティング」に触れている部分を紹介しましょう。   

※自分で訳したので自信がありませんが・・

【訳】   
今の最大の関心事は新しいモデルが生まれることだ。もちろん皆さんも関係している。このチャンスがどの程度大きいものなのか私にはわからない。大前提にあるのは、データサービスとアーキテクチャーがサーバー上にあるということだ。これを「クラウドコンピューティング」と呼び、すべては雲(Cloud)の中にある。そして、PCやMACや携帯電話やBlackBerry等デバイスを意識することなく、雲(Cloud)にアクセスすることができる。GoogleやYahoo!、eBay、Amazon等の多くの企業が利益を得ている。コンピューターの機能やデータはサーバーの中にあるのだ。

【英文】    
What's interesting [now] is that there is an emergent new model, and you all are here because you are part of that new model. I don't think people have really understood how big this opportunity really is. It starts with the premise that the data services and architecture should be on servers. We call it cloud computing – they should be in a "cloud" somewhere. And that if you have the right kind of browser or the right kind of access, it doesn't matter whether you have a PC or a Mac or a mobile phone or a BlackBerry or what have you – or new devices still to be developed – you can get access to the cloud. There are a number of companies that have benefited from that. Obviously, Google, Yahoo!, eBay, Amazon come to mind. The computation and the data and so forth are in the servers.

 

グーグルは、クラウドコンピューティングの普及に向けて、まずコンシューマー市場において、「Google Apps」というサービスを始めました。Web上でメールを利用できるGmailや文書を作成・共有できるGoogleドキュメント、そしてスケジュールを共有できるGoogleカレンダー等、Webアプリケーションサービスです。Webブラウザでインターネット接続する環境があれば、端末がパソコンでも携帯でも同じ環境にアクセスすることができ、メールの送受信やオフィスソフトの作成・共有をすることができます。

「Google Apps」は、コンシューマー市場におけるクラウドコンピューティング市場における方向性を示したWebアプリケーションサービスと言えるでしょう。そして、グーグルは、コンシューマITの技術をベースにエンタープライズ分野にも展開を図っています。 

「Google Apps」をエンタープライズ分野向けにSLAや機能を高めたのが「Google Apps Premier Edition」です。年額は一人あたり6,000円と有料ですが、企業別にサーバーをたてて運用をする費用と比較すると破格の値段です。

また、「Google Apps」は、SaaS(Software as a Service)に位置づけられ、ソフトウエアを提供していますが、が、PaaS(Platform as a Service)と呼ばれるプラットフォームとしてもサービスを提供しています。グーグルが提供する「Google App Engine」がそのPaaSに該当し、企業はグーグルのプラットフォームを使い、様々なWebアプリケーションを開発することが可能となり、自社のサービスとしてユーザに提供することができます。

そして、エンタープライズ向けに実績のある企業との協業も積極的に進めています。

米グーグルと米セールスフォースは、4月14日、両社の提携を発表し、Salesforceのサービスの中に「Google Apps」を組み込んだ「Salesforce for Google Apps」を提供することを発表しました。

また、5月1日にはIBMとクラウドコンピューティング(Cloud Computing)分野での協力を進めていることを共同で発表しています。

グーグルは、コンシューマ分野における圧倒的な検索シェアやGmail等のGoogle Appsの導入実績を引っさげて、そして、エンタープライズ分野において実績のあるセールスフォースやIBM等と組むことによって本格的な展開を図ってきています。

グーグルがエンタープライズ・クラウドコンピューティングの分野において、どこまでプレゼンスを高めていくことができるか、今後の動きに注目です。

クラウドコンピューティングへの取り組み(4) サン・マイクロシステムズ(2008.10.3)

クラウドコンピューティングへの取り組み(3) IBM(2008.10.2)

クラウドコンピューティングへの取り組み(2) セールスフォース・ドットコム(2008.9.30)

クラウドコンピューティングへの取り組み(1) グーグル(2008.9.29)

 

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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