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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2008年8月6日の投稿

2008年8月7日 »

テレビの存在感が次第に薄れてきているようです。

インターネットコムとJR東海エクスプレスリサーチが発表した「テレビとインターネットに関する調査」によると、
「家に片方だけ導入するとしたら、テレビとインターネットのどちらを選びますか?」という問いに対して、

  • 「インターネット」を選んだ回答者は52.7%(174人)
  • 「テレビ」を選んだ回答者は30.6%(101人)


となっており、「インターネット」のほうが価値があり、重視している傾向が強いようです。

さらに、「どちらが有益な情報を入手できますか?」という問いに対して、

  • 「インターネット」 66.4%(219人)
  • 「テレビ」 回答者は10.0%(33人)


インターネットは検索エンジンなど自分から知りたい情報の検索など、好きなときに好きな情報にアクセスすることができるため、情報を一方的に提供するテレビと比べると大きな差がついているようです。

そして、 「どちらの方が楽しいですか?」という問い対しては、

  • 「インターネット」 44.2%(146人)
  • 「テレビ」 21.2%(70人)


と、娯楽面においてもインターネットがテレビを上回る状況となっています。


このままテレビの存在感は、インターネット上の様々なサービスによってその存在感は下降線をたどっていくのでしょうか?

2015までに実用化されるテレビとは?」での2015年のテレビのイメージを書かせていただきましたが、再度整理をしてみましょう。

総務省は、5月13日の「ICT成長力懇談会(第6回)」端末層(テレビ・携帯電話)の2015年までに実用化されるサービスのイメージを提示しています。


【超大画面・高精細化による高臨場感の追及】

    * 家庭のリビングが超高精細映像と立体音響による高臨場感シアターに
    * 人に優しい、自然な高臨
    * 場感放送へ
    * 五感放送の基礎研究を推進

【薄型・軽量化】

    * 新聞や広告(ポスター)に利用可能なフレキシブルシートディスプレイ
    * 超小型プロジェクタによるテレビ

【タイムシフト、VODなど視聴形態の多様化】

    * 見た時見た番組だけを視聴可能
    * 受信機が個人に合わせた番組を提供
      ~ コンシェルジュサービス~

【ネット接続による映像視聴以外の用途の拡大】

    * 「「見る」から「使う」へ~ネットショッピングや家電制御、ホームセキュリティなどのインターフェイスとして用途が多様化
    * 蓄積画像の共有


NGTV(Next Generation TV)

2月5日、野村総合研究所(NRI)は、2015年をターゲットとした国内メディア・コンテンツ産業の変革シナリオを記者向けのセミナーで解説しました(関連記事)。2015年に望まれるテレビの姿として、

    * 「ナビゲーション」(検索やレコメンデーション)
    * 「オンデマンド視聴」(タイムシフト、ロケーションシフト)
    * 「メタ情報の共有」(レーティングの共有)
    * 「評価」(評価のフィードバック)


放送と通信の融合・連携が始まりつつありますが、テレビの変化のスピード感はインターネットと比べると著しく遅れているように見えます。しかし、2015に 実用化されるテレビなど未来のテレビを考えると、テレビの魅力もこれから増えていくことも考えられます。テレビはお茶の間の主役であり続けるのか?それと もインターネットがさらに存在感を増し、テレビを飲み込んでしまうのか? これから数年間はテレビがどのような存在感を出していくか注目です。


MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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