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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年6月29日

2008年6月30日の投稿

2008年7月1日 »

米Gartner が先日発表したSPECIAL REPORT「Cloud Computing」によると、下記のコメントがかかれています。

クラウド・コンピューティングが実現(成熟)するには、3年の時間を要すようです。ユーザがクラウド・コンピューティングのオプションとのその効果を理解するとともに、提供者(ベンダ)側が、クラウド・コンピューティングを自社のプラットフォームとビジネスモデルに組み込み競争力のある仕組みをつくっていく必要性が述べられています。

Cloud Computing is emerging at the convergence of three major trends--service orientation, virtualization and standardization of computing through the internet. Users will need to understand the cloud options and providers available to them. Vendors will need to evolve their platforms to be cloud-capable, and evolve their business models to maintain a competitive advantage.


クラウド・コンピューティングとは定義があいまいですが、ユーザ側がコンピューター側を雲(Cloud)としてとらえ、サーバー側のITリソースを意識することなく、様々な端末でアクセスできるというものです。クラウド・コンピューティングの実現にあたって、いくつかのキーワードを少し整理してみたいと思います。


クラウド・コンピューティングと企業の電子メール

企業のクラウド・コンピューティングで移行に時間がかかることが予想されるのは電子メールです。「クラウドコンピューティングで企業のメールはどうなる?」でも書かせていただきましたが、「MS幹部が「クラウドコンピューティングへの移行」に言及(5.21)」の記事によると、5年後には、Exchangeのメールボックスのうち50%はExchange Onlineで提供されるようになっているとMS幹部は予測しています。つまり、5年間で数千万件の企業のメールアカウントがMSのデータセンターに移ることになるとしています。このモデルはMS社利益幅は縮小するが、収益は向上するとしています。少なくとも3年後には電子メールのクラウド・コンピューティングへの移行が本格的に始まっているのかもしれません。


クラウド・コンピューティングとNGN

クラウド・コンピューティングの実現時期とNGNの普及期がちょうど重なるのは偶然なのでしょうか?NGNの普及により、セキュリティや回線品質そしてネットワークのオープン化などが進みます。「クラウド・コンピューティング時代のNGNの役割」で書かせていただいたように、クラウド・コンピューティングの実現にあたってのNGNの役割は大きいのではないかと感じています。


米国においては、クラウド・コンピューティングの実現(成熟)には3年を要すようですが、日本はそれよりも遅れて実現(成熟)するのではないかと考えられます。それが1年なのか数年単位なのかわかりませんが、日本はSaaSやASP等のプラットフォーム側の充実とNGNの普及とWiMAXや次世代PHSなどのユビキタス・ブロードバンドの実現により、アメリカ等とは異なったクラウド・コンピューティングの環境を実現しているのかもしれません。


MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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