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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年4月9日

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2008年4月11日 »

NGN(次世代ネットワーク)が3月31日に商用サービスを開始しました。地上デジタル放送のIP送信も夏まで持ち越し、スモールスタートとなりました。3月31日の定例記者会見でNTTの三浦社長は、NGNの普及によってSaaS需要が膨らんでくると予想し、今後NTTグループとしてSaaS事業者向けにプラットフォームを構築していく方針を示しています(関連記事)。


NGNの本格展開は夏以降

NGNは、「フレッツ光ネクスト」という名称で主にコンシューマ向けに提供されていますが、地上デジタル放送のIP再送信が夏を目処に開始され、利用エリアが拡大されれば、一般家庭へのNGNの普及が本格的に展開することが予想されます。


SaaS over NGNという考え方

また、SaaS事業者向けにプラットフォームが構築され、「SaaS over NGN」の環境が整い、需要が伸びていくと仮定すれば、金融や自治体や医療や教育など公共性の高い分野から普及が始まることが予想されます。


企業におけるNGNの活用は?

では、企業分野はどうでしょうか? 既に企業のネットワークはIP-VPNや広域イーサネット、そして最近ではインターネットVPN等安価でセキュリティ性の高い企業ネットワークを構築しています。企業のネットワーク更改はシステムやネットワークの再設計が必要となり、膨大な稼動を考慮することを考えると、NGNに移行するまでには相当の時間がかかることが考えられます。

今後企業に普及することが予想されるSaaSですが、最大の課題は、インターネット経由でアクセスするため、企業が導入に躊躇する最大の理由はセキュリティ対策であると言われています。そのため、SaaSを利用するためにVPNで接続する等セキュリティ性を高めたネットワーク設計も求められてきています。


伸び悩むエンタープライズ2.0

昨年8月に、ITmediaエンタープライズの特集で「エンタープライズ2.0時代の到来:“2.0”は企業内コラボの特効薬なのか」をタイトルの記事を書かせていただきました。“エンタープライズ2.0”の可能性を述べ、普及には技術だけでなく人やプロセスを考えながら導入していく必要があるという趣旨の内容です。しかしながら、最近“エンタープライズ2.0”というキーワードを聞く機会も少なくなりました。“エンタープライズ2.0”が一般的になっているという考え方もありますが、予想よりも普及が遅れているのではないかと考えることもできます。


エンタープライズ2.0導入の壁

昨年8月に、「社内Web2.0導入の大きな壁」というタイトルを9回に分けてブログの中で書かせていただきました。1回目の「社内Web2.0導入の大きな壁(1) --セキュリティ編」の中では、社内にWeb2.0を導入することは情報セキュリティ対策に左右されると述べさせていただきました。その他にも様々な導入障壁はあるのですが、セキュリティ対策が最も大きなハードルであると考えています。


エンタープライズ2.0 over NGNの可能性

NGNがインターネットと比べて優れている機能として、一般的にはQOS、セキュリティ、信頼性、オープンなインターフェイスの4つがあげられます。この4つを見ると、企業の中にWeb2.0を普及させていくための条件が揃っているのではないかと考えています。

QOSサービスがあれば、音声とデータとの統合ネットワークであっても比較的安価に社内の動画投稿共有サイトを導入することも不可能なことではないでしょう。

またセキュリティについては、回線認証等が提供されるので、インターネットと比べてセキュリティ性の高い環境を整えることができます。「Gmailは企業に普及していくのか?(2) --セキュリティは大丈夫か?」で書かせていただいたように、Gmailの脆弱性や認証等にセキュリティリスクが考えられますが、Gmail over NGNという環境が仮にできるとしたら、Gmailは企業に今よりも普及していく可能性もあるでしょう。

そして、オープンなインターフェイスが整備されれば、プラットフォーム上でより安全なマッシュアップが実現することが考えられます。

「SaaS over NGN」という言葉を最近耳にするようになりましたが、キーワード的には漠然としてどの分野にどのように普及していくのかややわかりにくいところがあります。もっと具体的に「エンタープライズ2.0 over NGN」と言うコンセプトを打ち出し、その環境を整えていけば、企業にも浸透していく起爆剤になる可能性はあるのではないかと考えています。


MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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