『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年4月7日

2008年4月8日の投稿

2008年4月9日 »

44日、総務省が主催する次世代の情報セキュリティ政策に関する研究会が今後の情報セキュリティ政策のあり方についての検討状況の「中間報告書」を公表しました。

 

P2PとCGMの信頼性

次世代セキュリティ研究会の中で定義されている情報セキュリティの脅威や課題は様々ですが、少しCGM(Consumer Generated Media)の部分にフォーカスしてみたいと思います。「日本語のブログ数は世界一だが、4割はスパム」で紹介させていただいたようにブログのスパムは4割にのぼっています。また、Winny等P2Pネットワーク経由で情報漏洩の事件も後を絶ちません。

これまでブログはクチコミマーケティング等といわれ、新たなマーケティング手法として注目を浴びましたが、情報の信頼性が下がるにつれて、その効果について次第に疑問符がつけられることもあるでしょう。P2PもP2Pネットワーク実験協議会でサービスやソフトウエアに関するガイドライン等を策定していますが、Winnyからの情報流出がさらに進めばP2Pの信頼性を得ることは難しくなるでしょう。

 

信憑性の判断

次世代の情報セキュリティ政策に関する研究会の報告書の中では、P2PはCGMに関す脅威と課題について多く取り上げられています。

現状する認識課題として、

情報通信技術の高度化や利用形態の多様化が進展する状況において、管理者不在となるPP ネットワーク、消費者が様々な情報を生成し発信するCGM等のオーバーレイ・ネットワークでは、趣味・嗜好の近い利用者が集まったコミュニティを形成した情報交換等が進展し、それによるビジネス展開の期待が高まるとともに、PP ネットワークにおいては、障害等に対するロバスト性も高くなることが期待される。その一方で、利用者の判断を誤らせるような事実に反する情報が意図的・非意図的に流通する場合やフィッシング等ソーシャルエンジニアリングを駆使した詐欺等に関連する情報が流通する場合があるほか、マルウェアの感染・流通手段となること等により、利用者が不利益を被る可能性も高くなると想定され、これらのP2P ネットワーク等の利用にあたっては、利用者自身によって流通している情報や情報発信元の信憑性の判断をしなければならない場面が多く発生することになる。

そして対策の検討として、

利用者が個別に流通する情報の信頼性を判断することは極めて困難であることから、その判断を補完するものとして、利用者自身が情報発信元や情報そのものの信頼性を評価し共有できるレピュテーション機能や情報の質や信頼性を検証する技術等の実現方法について検討することが必要である

つまり、利用者自身が情報発信元や情報そのものの信頼性を評価し共有できるレピュテーション・データベースを構築し、その運営方法について実証をする必要があるとしています。

Web2.0の世界は「集合知」と呼ばれるように多くのユーザの知を結集し、Wikipediaに代表されるようにユーザによる多くの知恵を作り出してきました。そして、4月3日に発表したビデオリサーチとニフティの共同研究調査結果では、6割のユーザが「ブログを信頼できる」と答えています(関連記事)。しかし、一方で、スパムブログは増加し、信頼性の低い情報が負のスパイラルをつくり、時には社会を混乱させ、セキュリティリスクを増大させてしまうケースがあるのも事実です。

今回の次世代セキュリティの研究会で推進するレピュテーション・データベースをどのように実現するのか、定かではありませんが、いずれにしても情報の信頼性を高める方策を考えていくことは正しい方向性であることは確かであると考えています。

クチコミブログ広告市場は2010年に4倍になるのか!?」の中で述べさせていただきましたが、ブログのユーザが増え、クチコミブログ広告市場も伸びるとある研究所が発表しています。しかし、広告市場が伸びるためには、発信される情報に信頼性があることが前提となるでしょう。

そういった意味で今、ブログ等に代表されるCGMはその信頼性を失うか、高めていけるのか、その岐路に立っているのではないかと感じています。


MASAYUKI HAYASHI

« 2008年4月7日

2008年4月8日の投稿

2008年4月9日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ