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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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食品偽装やインサイダー取引等、企業の不祥事の事件が相変わらず後を絶ちません。その原因は様々ですが、これまでの不祥事の事件がおきる背景の一つとして、企業の中でコミュニケーションが希薄になり、お互いに何をしているのかわからなくなり、社員同士の協力するという精神がなくなりつつある事例が多く見受けられます。今、成果主義の一部を見直し、チームのために貢献する取り組み、つまり協力しあう組織の再構築をしようとしている企業も増えてきています。

 
先日、「
不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」という本を読みました。本の中で協力関係が阻害されている原因として、

 
組織のタコツボ化
成果主義と仕事の高度化によるタコツボ化が進み、組織力が弱まっている

評判情報流通と情報共有の低下
相手を知る機会が少なくなり、知ることによる協力行動が少なくなった

インセンティブ構造の変化
会社が就労者の生活を保障できなくなり、就労者の会社への期待は大幅に低下している

 
等の理由が挙げられています。

 
これら3つの阻害要因の中で、組織のタコツボ化インセンティブ構造の変化への対応は、企業のガバナンスそのものの構造を変えていかなければならないというハードルの高い問題ですが、評判情報流通は時間と労力をかければ、改善していけるものであると考えています。

 
この本の中で、「コミュニティ・オブ・プラクティス」という米国を中心に注目を浴びている社内における職種ごとのコミュニティを取り上げています。

これ(コミュニティ・オブ・プラクティス)は従来のピラミッド組織からプロジェクト組織に変わる、かつ専門性が深くなり役割がタコツボ化する環境で、職種ごとのコミュニティを形成し、ナレッジや経験知を共有するだけでなく、流動化する組織の中での「居場所」をつくる機能を果たしているとされ、日本企業からの注目度も高まっている。


インフォーマルネットワークが重要に

「コミュニティ・オブ・プラクティス」ように、インフォーマルネットワークの重要性が増してきています。企業においては、社内の運動会や社員旅行の必要性の認識も高まってきています。そして社内SNSやイントラブログ等による社内のインフォーマルな情報をネットで交換する仕組みも始まっています。

 

評判情報を流通させる環境に

そして、“社員の多面的な人材情報が生まれかつ流通する環境、つまり、評判情報流通が機能する「場」を設け、人と人とが協力関係を構築し発展させるきっかけをつくっていくことが大切であると考えています。社内に自分にとってプラスになる評判情報が流通するようになれば、必然的に個々への期待が高まり、社員のモチベーション向上にも寄与することになるでしょう。

 

感謝と認知のフィードバック

この本の最後の章に、感謝と認知のフィードバックについて述べられています。

この二つのフィードバックが適切なタイミングで、適切に機能していくことが、人の行動を促進し、強化するのだということ。これも、組織のメンバー全員で共有していくことが大事である。

感謝は連鎖し、援助行動を強化していくことにもなります。そして自分がやったことが回りの人たちに対して大きな影響を持った事実を認知しフィードバックしてくことが、さらにその人の自発的な協力行動を強化することにもなります。

 
社員個々の評判情報を流通させ、感謝と認知をフィードバックさせていくことが、社員が協力しあう関係を生み出すことになるでしょう。そしてその現場の力が企業の力になっていくプロセスを作り出していくことが非常に大切になってきていると最近感じています。

 

 

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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